2017 Fiscal Year Annual Research Report
Epidemiological surveys of tick-borne pathogens in Kenya
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17H04661
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
早坂 大輔 長崎大学, 熱帯医学研究所, 准教授 (10346926)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高野 愛 山口大学, 共同獣医学部, 准教授 (90700055)
井上 真吾 長崎大学, 熱帯医学研究所, 准教授 (00346925)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | マダニ / ケニア / ウイルス / 病原体 |
Outline of Annual Research Achievements |
ケニア国営医学研究機関(Kenya Medical Research Institute,KEMRI)のDr. Joel Lutomiah の協力により、ケニア共和国のナイバシャ近郊にて、マサイ族が保有する家畜に寄生しているマダニを採集した。また、マサイ族の家に生息する可能性のある軟ダニの捕集も試みた。採集したマダニは、KEMRIのスタッフにより、種同定、ステージの同定を行い、今後の解析のために冷凍保管した。一部、飽血メスマダニについては、産卵させ、幼虫までふ化させた。ただし、現地研究者は成ダニのみを解析しており、若ダニや幼ダニの同定ツールが全くないことから、今後本研究を通じて若ダニや幼ダニの同定ツールの拡充が必要だと思われた。 また、ケニアで採集したマダニからの病原体分離を実施するにあたって、病原体同定の方法を確立するために、国内の長崎においてマダニ採集を行い、プールしたマダニ破砕サンプルをインターフェロンレセプターノックアウトマウス(AG129)に接種して病原体分離を試みた。その結果、3プールのマダニサンプル接種マウスが発症した。そこで、各マウスの脾臓を採材し、次世代シークエンサーにより、網羅的に遺伝子解析を行ったところ、最近新規でみつかったMukoウイルスおよびKabuto Mountainウイルスであることがわかった。この方法により、マダニから感染性病原体分離および病原体遺伝子の網羅的検出による同定法が確立された。この方法は、自然免疫系が働かないマウスを用いるため、病原性を有する病原体を感度よく分離でき、さらに病原体の遺伝子塩基配列を効率よく同定できるため、その有用性が確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現地協力者との調整が遅れ、マダニ採集時期が当初予定より遅くなってしまったため、年度内にマダニサンプルを調整し、分離・検出を年度内に行うことができなかった。また、マダニ採集に関わる現地協力者に要する旅費が想定より費やされたため、採集場所が絞られてしまった。しかしながら、解析に十分なマダニ種、数、ステージは採集されたため、今後、予定の解析は進めることができる見込みである。
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Strategy for Future Research Activity |
ケニアで採集したマダニについて、マダニサンプルから遺伝子核酸を抽出し、病原体(ウイルス、細菌、リケッチアなどを含む)遺伝子の検出を試みる。また、マダニサンプルをAG129マウスに接種することにより感染性病原体の分離を試みる。 KEMRIのDr. Joel Lutomiah の協力により、イシオロ地区においてマダニ採集を試みる。 SFTSウイルス、ToflaウイルスのIgGおよびIgG ELISAによる血清診断法の確立を試みる。その際、ヒト、イヌ、ネコ、シカ、イノシシ、ウシなどの各種動物に対して、特異的および非特異的に反応できる系の確立を試みる。
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Research Products
(9 results)