2019 Fiscal Year Annual Research Report
肉離れ受傷リスクの個人差を生み出す遺伝要因の解明:遺伝子に着目した新規予防策構築
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17H04752
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
宮本 恵里 順天堂大学, スポーツ健康科学研究科, 助教 (00793390)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | スポーツ障害 / 肉離れ / 遺伝子多型 / GWAS / 筋スティフネス |
Outline of Annual Research Achievements |
肉離れの受傷しやすさには個人差が存在し、そこには遺伝要因が関与している。本研究は、肉離れ受傷リスクの個人差を生み出す遺伝要因(遺伝子多型)を明らかにし、その遺伝子多型がどのようなメカニズムで肉離れ受傷リスクに影響を及ぼしているかを解明することで、肉離れ受傷の分子メカニズムを基盤とした新たな肉離れ予防策の構築へとつながる情報を得ることを目指した。 上記目標の達成のため、令和元年度は、前年度までの検討において肉離れ受傷と関連することが認められた遺伝子多型のメカニズム解明に取り組んだ。本研究課題により、アスリートの肉離れ受傷リスクに関与することが明らかとなったI型コラーゲンα1鎖遺伝子(COL1A1)のプロモーター領域に存在する遺伝子多型(rs1107946)について、骨格筋の特性に対する影響を検討した結果、肉離れ受傷リスクと関連する遺伝型の保有者は、非保有者と比較して筋スティフネスが高い(筋が硬く伸びにくい)ことが明らかとなった。さらに、筋生検検体を使用し、rs1107946多型の機能解析を行った結果、ヒトの筋組織におけるCOL1A1遺伝子発現レベルとrs1107946多型に関連性が認められた。COL1A1遺伝子発現レベルが高い遺伝型を有す人の筋組織では、I型コラーゲンのα1鎖/α2鎖の比が高く、α1鎖のみからなるホモトリマー型のI型コラーゲンが存在している可能性が示された。以上の事から、骨格筋中のI型コラーゲンの組成の個人差が、肉離れのリスク因子となる可能性あり、新規予防策のターゲットとなることが期待される。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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