2018 Fiscal Year Annual Research Report
Life-style related disease and economic behaviors
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17H04780
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Research Institution | Meiji Gakuin University |
Principal Investigator |
犬飼 佳吾 明治学院大学, 経済学部, 准教授 (80706945)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 行動経済学 / 実験経済学 / 選好 / ディープパラメーター |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、近年世界各国で広く関心が寄せられている生活習慣病とされる糖尿病に着目し、糖尿病患者の特性と糖尿病発症のリスク要因に行動経済学的なファクターがどのような関連性をもつかを、経済実験及び神経経済学実験によって明らかにする。また、糖尿病発症後の治療経過と行動経済学的ファクターの関連をパネル型実験を実施することによって組織的に検討し、糖尿病治療に必須とされる生活習慣の改善はどのような治療によって達成されるかを明らかにする。加えて、近年様々な国や地域で導入されている糖質を含む食品への課税が、糖質過剰摂取を抑制する効果を持ちえるかどうかについても行動、脳科学実験の知見をもとに検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、本研究の一環として整備した最新鋭の実験設備を用いて、ディープパラメーターを測定するための大規模な行動実験を繰り返し行った。特に時間割引課題、リスクテイキング行動測定課題、損失回避傾向測定課題等の個人のディープパラメータを測定する実験を繰り返し実施した。そのうえで、近年の行動経済学研究で提案されている各種時間選好のモデルのフィッティングを行った。加えて、各群の被験者へアンケート調査を同時に実施し、生活習慣や社会経済的背景との関連を探索的に検討した。また、時間選好に関する行動経済学研究やリスクテイキング行動の個人差に関する神経経済学的研究が国際学術論文として掲載された。
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Strategy for Future Research Activity |
明治学院大学に44名の実験参加者の行動を専用サーバーで常時接続させる世界最大規模の最先端集団実験設備を整備し、平成30年4月より運用をはじめている。並行して、同学に約1千人を超える規模の参加者プールを構築し、上述の実験設備を利用して、大規模な行動実験を行う予定である。加えて、意思決定の背後にあるメカニズムの理解を更に進めるために、実験ゲームを用いた検討や、複数参加者の眼球運動の同時測定実験や一般人参加者プールの整備計画も進める方針である。
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