2017 Fiscal Year Annual Research Report
運動機能評価が可能なヒト神経-筋アクチュエータの創出
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17H04805
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
森本 雄矢 東京大学, 生産技術研究所, 助教 (60739233)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | バイオロボティクス / マイクロ加工 / BioMEMS / 組織工学 / バイオエンジニアリング |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、ヒト骨格筋組織とヒト運動神経を融合させ、筋線維と運動神経の間に神経筋接合部を確立し、運動神経からの信号伝達による筋組織の収縮運動実現を目指した。 まずシャーレ上でヒト骨格筋線維とヒト運動神経を共培養したところ、ヒト運動神経と接しているヒト骨格筋線維が弱っていく様子が観察された。そこで、培養条件を調整し、神経軸索のみが接しているヒト骨格筋線維を用意したところ、運動神経のみを活性化させる薬剤の添加にてヒト骨格筋線維の収縮運動を確認することに成功した。また、神経筋接合部の機能を抑える薬剤を添加したところ、運動神経を活性化させてもヒト骨格筋線維の収縮運動は観察されなかった。本結果は活性化したヒト運動神経が神経筋接合部を介して刺激をヒト骨格筋線維に伝達できていることを示している。 ヒト運動神経から伝達される神経刺激にてヒト骨格筋組織の収縮運動が実現可能か調べるため、アンカーを用いた申請者独自の組織構築方法にてヒト骨格筋組織を構築した後に、シャーレでの実験で確立した培養条件にてヒト骨格筋組織とヒト運動神経の共培養を行った。その結果、薬剤にて運動神経のみを活性化させると、ヒト骨格筋組織にて収縮運動を観察することに成功した。本結果は申請者が確立した培養方法で形成した共培養組織において、神経筋接合部を介して伝達されるヒト運動神経からの刺激にてヒト骨格筋組織も収縮運動可能なことを示唆しており、目的が達成されたと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の主目的であった、ヒト骨格筋組織とヒト運動神経の融合による筋線維と運動神経の間での神経筋接合部の確立、および運動神経からの信号伝達による筋組織の収縮運動実現に成功しており、研究課題は概ね順調に進捗していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は骨格筋組織の収縮運動で駆動するバイオアクチュエータを構築し、その収縮運動制御を実現すると共に、神経刺激起因の収縮運動が骨格筋組織の成熟に与える影響、および神経接合部を標的とした薬剤への応答性の解明を目指す。
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Research Products
(6 results)