2018 Fiscal Year Annual Research Report
運動機能評価が可能なヒト神経-筋アクチュエータの創出
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17H04805
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
森本 雄矢 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 准教授 (60739233)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | バイオロボティクス / マイクロ加工 / BioMEMS / 組織工学 / バイオエンジニアリング |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は骨格筋アクチュエータの構築法とその運動制御法の確立を目指した。 両端部を固定した状態で骨格筋組織を構築した場合は、筋組織に電気刺激などを与えて収縮を促しても、収縮量を伴う収縮運動をすることはできない。そこで、本年度は収縮運動を伴う骨格筋アクチュエータの確立を目指して、関節を介して2本の骨格筋組織を対抗するように配置させた。この構成では筋組織の端部の位置が固定されておらず、片方の骨格筋組織が収縮すると、関節を介してもう片方の骨格筋組織が伸長するため、収縮量を伴う収縮運動が実現可能であった。また、その際の収縮率はヒト骨格筋相当の収縮率を実現できていることも確認された。当初予期していなかった研究の進展として、この大きな収縮率にて骨格筋組織を収縮運動させることで、付属した関節も大きく回転することが可能になった。骨格筋組織の伸縮運動にて関節を回転させることで、関節についたアームを操作し、リングを持ち上げ、移動し、下ろすといった操作が可能になることも新たに分かった。この関節付き骨格筋アクチュエータを複数用いることで、大きな物体を操作することも可能であることが確認された。さらに、その収縮運動量も負荷する電気刺激の大きさと周波数によって制御できることも明らかになった。このように、収縮運動可能な骨格筋アクチュエータの構築法ならびに運動制御法を明らかにできており、本年度の目的は達成されたと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本年度の主目的であった骨格筋アクチュエータの構築と運動制御法の確立に成功しているだけでなく、ヒト骨格筋相当の運動の実現にも成功しており、大いに進捗があると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
骨格筋アクチュエータのデザインの改良と神経細胞などの共培養下における骨格筋組織への影響を進める。
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