2017 Fiscal Year Annual Research Report
Controlling deformation-induced martensitic transformation via lattice defect engineering
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17H04957
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| Research Institution | Tohoku University |
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Principal Investigator |
山中 謙太 東北大学, 金属材料研究所, 助教 (30727061)
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| Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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| Keywords | 金属材料 / 格子欠陥 / マルテンサイト変態 / X線回折 / 中性子回折 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は、チタン合金と生体用Co-Cr-Mo合金の2つの合金系を対象に、以下の研究を行った。
チタン合金については、Ti-6Al-4V合金の熱間圧延・焼鈍材（等軸α+β組織）、電子ビーム積層造形材（針状α+β組織）、レーザー積層造形材（針状α’マルテンサイト組織）の組織の異なる3種類の試料を作製し、SPring-8のBL22XUにて格子欠陥評価を目的とした放射光を用いたX線回折（XRD）測定を実施した。得られたXRDプロファイルに対してConvolutional Multiple Whole Profile (CMWP)法に基づくラインプロファイル解析を行い、各試料の転位密度、転位の配置パラメータ、結晶子サイズを評価することで製造プロセスと転位組織形成の関係を明らかにした。また、本研究では高輝度な放射光を用いることで微細かつ体積分率が低く、通常のXRD測定では評価が困難なβ相についても転位密度を求めることに成功した。さらに、引張変形中のその場XRD測定も併せて実施し、複相組織における構成相ごとの加工硬化挙動を明らかにすることができた。
一方、Co-Cr-Mo合金については、N添加量の異なる2種類の合金を熱間加工により作製し、組織観察、引張試験、疲労試験を行った。疲労試験後の試料についてはJ-PARCのiMATERIA (BL20)にて中性子回折測定を実施し、上記のCMWP法による転位組織解析を行うとともに、Rietveld Texture Analysisにより集合組織・相分率を評価した。以上により疲労変形に伴う母相中の転位組織変化とひずみ誘起マルテンサイト変態により形成したε相の相分率を同時に評価し、疲労特性との関係を定量的に明らかにした。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度は放射光を用いた引張変形中のその場X線回折実験や中性子回折実験を行い、今度の研究に必要な評価手法を確立することができた。これまで困難であった体積分率の低い構成相の転位組織解析にも成功し、加工硬化における興味深い結果が得られた。計画を前倒して疲労変形に関する実験に着手し、研究に必要な装置も予定通り導入することができ、順調に進展していると判断される。
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| Strategy for Future Research Activity |
これまで構築した手法を用いて、平成30年度は本研究のコンセプトの実証とメカニズム解明に取り組む。具体的には、チタン合金、Co-Cr-Mo合金において加工熱処理により初期の格子欠陥状態を系統的に変化させ、引張および疲労変形挙動との関係を調査する。また、組織制御に伴う元素分布等も合わせて調べ、強度－延性バランスや疲労特性との関係を系統的に明らかにする。これまでに得られた実験データについては、学会発表および論文投稿へとつなげていく。
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