2017 Fiscal Year Annual Research Report
Temporal dynamic analysis of hematopoietic stem cells in bone marrow microenvironment
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17H05086
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山崎 聡 東京大学, 医科学研究所, 特任研究員 (50625580)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 骨髄環境 / 造血幹細胞 / ニッチ |
Outline of Annual Research Achievements |
造血幹細胞は骨髄中に存在し、未分化性を保ちつつ生体内の生涯にわたる全ての血液細胞を供給することができる組織幹細胞の1つである。申請者は過去に造血幹細胞の休眠機構を明らかにすることで(Yamazaki et al.,2006)、造血幹細胞の冬眠状態維持にTGF-betaが重要であることを証明した(Yamazaki et al.,2009)。また、骨髄中のシュワン細胞によるTGF-betaの活性化が造血幹細胞の休眠を誘導することを報告した(Yamazaki et al.,2011)。さらには、骨髄中には骨髄特有のアミノ酸濃度が存在し、そのアミノ酸バランスを崩すことで造血幹細胞を制御できることも明らかにしている(Taya et al.,2016)。本プロジェクトでは申請者がこれまで報告してきた知見と経験を基に、骨髄微小環境における造血幹細胞の時間的動態を解析することで、複雑に入り組んだ造血幹細胞ニッチ細胞とその構造を明らかにし、in vitroにおける造血幹細胞の未分化性を保つ培養方法の確立を目指す足がかりにする基盤構築を目指している。今年度の研究実績としては骨髄環境の理解により新しい培養システムの構築を開発した(Ieyasu et al., Stem Cell Reports 2017)さらにはiPS細胞から骨髄環境を模倣した組織をテラトーマ内で誘導することに成功した(Tsukada et al., Stem Cell Reports 2017)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2016年に細胞同士が接着することで接着された細胞のみが蛍光タンパクが発現するシステムが報告された(Morsut L et al., Cell)。この技術はリガンドと受容体との関係性を改良することで構築された技術である。申請者はこの技術を造血幹細胞の未分化性を維持している骨髄微小環境の同定に用いれるのではないかと考え、マウスの作出した。また、安定的な全骨髄3次元イメージングシステムの構築を成功させていることから、本研究は順調に遂行されている。
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Strategy for Future Research Activity |
4次元イメージングによる骨髄微小環境の解析 申請者はシートレーザー顕微鏡の扱いを熟知していることから、全骨髄構造を簡便かつ定量的に個々の細胞の位置情報などを解析することができる。しかし、これらの情報は極短い時間軸の情報でしかない。申請者はタイムラプスシステムとインキュベーターシステムをシートレーザー顕微鏡に加えることで4次元でのイメージング技術を開発する。平成29年度に作製されたマウスを本技術を用い解析することで、造血幹細胞がどのような速さで、どのような経路をたどり動いているかが明らかになる。さらには骨髄前駆細胞との比較を行うことで共通の支持細胞が存在するのか、もしくは全く別の支持細胞であるのか、造血幹細胞の動態と造血前駆細胞との動態比較も行う。
移植後における造血幹細胞の動態解析 平成29年度に作製された2種類のマウスを交配せずに、放射線照射したマウスに造血幹細胞を移植することで移植後の造血幹細胞の動態を細かな時間軸を設定することで、骨髄へのホーミング過程を解析する。また造血幹細胞にルシフェラーゼを高発現させ、かつ、超高感度in vivoイメージングシステムを用いることで1から5個程度の移植後の細胞からどのように造血幹細胞が分布していくのかを解析する。また分化細胞の生体内への広がりなども同時に解析を行う。また移植という条件以外にも老化、炎症、ストレス等の環境を誘導したマウスにおいても同様の実験を行うことで定常状態と比較することで骨髄内における造血幹細胞の動態を解析し一般化する。
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Research Products
(14 results)
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[Journal Article] An All-Recombinant Protein-Based Culture System Specifically Identifies Hematopoietic Stem Cell Maintenance Factors.2017
Author(s)
Ieyasu A, Ishida R, Kimura T, Morita M, Wilkinson AC, Sudo K, Nishimura T, Ohehara J, Tajima Y, Lai CY, Otsu M, Nakamura Y, Ema H, Nakauchi H, Yamazaki S.
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Journal Title
Stem Cell Reports
Volume: 23
Pages: ePub
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Physiological Srsf2 P95H expression causes impaired hematopoietic stem cell functions and aberrant RNA splicing in mice.2017
Author(s)
Kon A, Yamazaki S, Nannya Y, Kataoka K, Ota Y, Nakagawa MM, Yoshida K, Shiozawa Y, Morita M, Yoshizato T, Sanada M, Nakayama M, Koseki H, Nakauchi H, Ogawa S.
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Journal Title
Blood
Volume: 131
Pages: 621-635
DOI
Peer Reviewed
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