2019 Fiscal Year Annual Research Report
Towards thorough understanding of molecular and neural circuit basis of behavioral switch
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17H06113
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
飯野 雄一 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 教授 (40192471)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石原 健 九州大学, 理学研究院, 教授 (10249948)
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Project Period (FY) |
2017-05-31 – 2022-03-31
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Keywords | 線虫C.elegans / 学習記憶 / シナプス伝達 / 神経回路 / 全脳イメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
微小なモデル生物である線虫C. elegans では全神経回路の構造が既知であり、実際の生物における神経系の情報処理機構を明らかにできる可能性を秘めている。本研究では線虫を用い、神経回路が感覚入力を処理して行動を引き起こすまでの全神経回路を解明し、学習によりその行動が変化する分子・神経機構を明らかにすることを目的としている。このために以下を進めた。1) 塩濃度の嗜好性の制御にCLC型塩化物イオンチャネルが感覚神経で働くことを明らかにしていたが、Cl-イオン動態とカルシウム応答、介在神経のカルシウム応答を測定し、このチャネルの変異により感覚神経の応答速度が低下し行動異常につながることを推定した。塩嗜好性の決定に重要な働きをするプロテインキナーゼC (PKC)について、サプレッサースクリーニングを行い候補分子を見出した。2) 過去の経験によりシナプス伝達の極性が変化する現象について、感覚神経ASERから接続する介在神経であるAIBおよびAIYの伝達について、行動中の線虫によるイメージングおよび徐々に塩濃度を変化させるイメージングを行った。3) 4Dイメージングによる全頭部神経の活動の測定を進めた。結果数理モデルで解析し、各神経活動の相互関係と全体での情報の流れを推定できた。4)首振り周期に同期した感覚刺激が伝わる経路を明らかにするために、首振りをしながら感覚刺激を与えるチップを作成して経路上にあると推定されるいくつかの介在神経、運動神経のカルシウムイメージングを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
繰越を行い、時間を掛けて線虫の神経活動の測定のための装置を整備したが、その後順調に研究が進み成果発表に至る道筋が出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、CLCチャネルについては結果をまとめて論文発表を目指す。ASERから介在神経AIBへの伝達の変化についてもさらなる解析を進め論文化を目指す。4Dイメージングについてはデータ解析についてさまざまな方法を試していく。
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Research Products
(9 results)