2019 Fiscal Year Annual Research Report
Advancing Japanese Bibliographics and Improving the Accessibility of Documents Held by Royal and Aristocratic Archives - Clarifying the Structure and Transmission of Knowledge Systems
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17H06117
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田島 公 東京大学, 史料編纂所, 教授 (80292796)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 真司 京都大学, 文学研究科, 教授 (00212308)
小倉 慈司 国立歴史民俗博物館, 大学共同利用機関等の部局等, 准教授 (20581101)
遠藤 基郎 東京大学, 史料編纂所, 教授 (40251475)
松澤 克行 東京大学, 史料編纂所, 准教授 (40282529)
藤原 重雄 東京大学, 史料編纂所, 准教授 (40313192)
藤井 恵介 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 名誉教授 (50156816)
金田 章裕 京都大学, 文学研究科, 名誉教授 (60093233)
岸 泰子 京都府立大学, 文学部, 准教授 (60378817)
末柄 豊 東京大学, 史料編纂所, 准教授 (70251478)
鶴見 泰寿 奈良県立橿原考古学研究所, 附属博物館学芸課, 指導学芸員 (70270775)
馬場 基 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 都城発掘調査部, 室長 (70332195)
加藤 悠希 九州大学, 芸術工学研究院, 准教授 (80790815)
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Project Period (FY) |
2017-05-31 – 2022-03-31
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Keywords | 日本目録学 / 宮内庁書陵部所蔵史料 / 東山御文庫本 / 京都御所関係資料 / 内匠寮本中井家文書 / 一条文庫 / Hi-CAT Plus / 陽明文庫 |
Outline of Annual Research Achievements |
①デジタル画像の公開と蒐集 1史料編纂所閲覧室専用の画像閲覧システムHi-CAT Plus(ハイ‐キャットプラス)を所外公開が可能な閲覧システムへの改修を行い、書陵部所蔵の家分け本(伏見宮家本・九条家本・柳原家本等)約56万画像を2020年3月よりWeb公開した。2宮内庁書陵部所蔵『光栄卿記』等約3万件をMFスキャンした。 ②京都御所関係資料の高度利用化 3「中井家文書」の研究会を2回開催した。 ③日本目録学の総体の提示 4近世一条家文庫に関してその概要を明らかにした。5京都大学総合博物館所蔵の壬生家文書約千点について目録点検作業を行なった。6「高松宮家蔵書目録一覧」・東北大学附属図書館狩野文庫所蔵「近衞家蔵書目録」を公開した。 ④古典学DBの作成と発信 7『新訂増補 弁官補任』第一(八木書店)・『禁裏・公家文庫研究』第7輯(思文閣出版)・『中間報告書』を刊行した。8『天皇皇族実録』(宮内省)の後朱雀・後冷泉・後三条の各天皇部分を、新たに善本を底本に校訂を行い入力した。9『日本古代人名辞典』増補改訂版の原稿の作成・校正・修正を行った。10「陽明文庫講座」1回、「岩瀬文庫講座」3回、金鵄会館講座「続・古典を読む‐歴史と文学」を11回行った。11昨年度に発行した記念図録を増補し『陽明文庫 近衞家伝来の至宝 設立80周年記念特別研究集会 記念図録』(吉川弘文館)として刊行し、引き続き『陽明文庫講座図録』1を刊行した。12「日本目録学」の国際発信として、『禁裏・公家文庫研究』第7輯にJason Webb氏による英語の目録学の論文を掲載し、同氏の協力を得て、『同』第7輯所収の全論文に英文のタイトルをつけた。更に田島公「文庫論」(『岩波講座 日本歴史』22 2016年)のロシア語訳をSmirnov Pavel氏に作成を依頼し、『中間報告書』に収載した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1従来の閲覧室限定のシステムを改良し、所外でも閲覧可能な画像閲覧システムとなったHi-CAT Plusにより、2020年3月から、書陵部所蔵家分け本約56万画像をWeb公開し、順調に運用すると共に、書陵部でもリンクが貼られ、閲覧の利便性が上がった。2本科研の支援を得て公益財団法人陽明文庫所蔵「一般文書目録」収載資料の画像データ約5千点の試験公開が陽明文庫のHP「陽明文庫デジタルアーカイブ」で実現した。3『禁裏・公家文庫研究』第7輯(思文閣出版)・『中間報告書』を刊行し、3年間の研究成果の一端を公表できた。4研究が殆ど無かった近世の一条家の文庫や当主の収書活動の研究を行った。51965年当時の高松宮家所蔵禁裏本の蔵書を示す目録の一覧を発表し、有栖川宮本の旧蔵形態に関する基礎資料を提示できた。6陽明文庫所蔵近衛家伝来本に関して、2018年7月に特別研究集会で配布した記念図録を増補した『陽明文庫 近衞家伝来の至宝 設立80周年記念特別研究集会記念図録』(吉川弘文館2019年)と2020年2月の「陽明文庫講座」で配布した『陽明文庫講座 図録1』を刊行し、最新の研究成果を示せた。7近代の近衛家の蔵書形態を示す目録を狩野文庫から見出し、翻刻と分析を行った。8約38年ぶりに『弁官補任』第一(続群書類従完成会 1982年)を大幅に増補・改訂し、新たに廣橋本を底本とした『新訂増補 弁官補任』第一(八木書店 2020年)を刊行し、学界に新たな研究工具を提供できた。9『日本古代人名辞典』の大幅な増補改訂版の原稿作成作業を継続し、再校ゲラの校正をほぼ終了し、2021年度内の刊行が見通せるようになった。10市民向けに「陽明文庫講座」1回、「岩瀬文庫講座」3回、金鵄会館講座「続・古典を読む‐歴史と文学」11回などコンスタントに公開講座を行えた。 以上の点から概ね順調に進展していると言えるから。
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Strategy for Future Research Activity |
①デジタル画像の公開と蒐集 書陵部所蔵家分け本のデジタル画像に関してはHi-CAT Plusからの安定的な公開の維持に努め、画像の脱漏があれば補訂するなど書陵部と連携をとりたい。近世禁裏御所等の図面類が多く、建築史研究者からWeb公開に大きな期待が高まる「中井家文書」はモノクロ4×5フィルムからのデジタル化であることから、Web公開の為にIIIF(トリプルアイエフ)対応に変換すると画像量が約4倍となる。更に現在バックアップサーバが無いので、万一の事態に備えた新規サーバやストレージの導入も必要となる。その場合、累計公開目標約100万件を目指し行っている書陵部所蔵家分け本のデジタル化に関しては優先順も考えながら、最終的な目標数など若干の計画の見直しもありうる。なお山口県立山口図書館所蔵今井似閑本約3万コマや西尾市岩瀬文庫所蔵柳原家本約7万コマは2020年度中にWeb公開の予定。 ②研究成果の国際発信・市民への発信 Hi-CAT PlusによりWeb公開が実現したことを踏まえ、当初の計画では残り2年間で研究成果の国際発信のため、国内外での国際研究集会の開催を予定していた。しかし新型コロナウイルス感染症の蔓延による研究者の移動の自粛・渡航制限やその後の第2波・第3波の可能性を考えると、国内外での「天皇家・公家文庫」に関する「国際研究集会」の開催や参加に関しては、現実的でなく慎重にならざるをえない。またこれまで行ってきた国内での大規模な公開講座(陽明文庫講座など)に関しても定員を減らすなど感染の拡大・再発を防ぐ措置をとりたい。その代わりに、外国人研究者や一般市民が使えるような史料翻刻やわかりやい解説を充実させ、画像とリンクさせて公開するなど、今後の広範な研究進展の為の基礎研究やデータの作成・公開を行うなど臨機応変に対応したい。
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Research Products
(76 results)
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[Book] 勘仲記 第62019
Author(s)
高橋秀樹・櫻井彦・遠藤珠紀
Total Pages
293
Publisher
八木書店
ISBN
9784840651493
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