2018 Fiscal Year Annual Research Report
モバイル・ミューオン検出器による三次元ミュオグラフィの実現研究
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17H06208
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Research Institution | Japan Aerospace EXploration Agency |
Principal Investigator |
尾崎 正伸 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 准教授 (90300699)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 英昭 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (00312992)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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Keywords | 半導体検出器 / ICパッケージ |
Outline of Annual Research Achievements |
既存の背面照射型CMOSチップ2枚を利用した、ミューオン到来方向検出用素子のメカニカルモデルを製作した。本モデルは元々は過去に製作したCCD素子を用いたモデルを改変することで手早く安価に制作できる見込みであったが、今回のモデルに不可欠な2枚のチップ間の相対位置精密保持を実現するために新たにCMOSセンサを採用しなければならず、作業が一年間遅延している。 モデルは精密保持を担うセラミックベースの両面に実装されたセンサチップと、そこから配線を引き出し外部回路へと繋げる役割を持つプリント基板から構成され、これらを一体に接着して単独のパッケージとして扱える物としている。引き出す配線は素子の駆動と出力に分けられるが、駆動端子はパッケージの底面からの電極に集約し、出力は底面側チップからは同じく底面電極に、天面側チップからはパッケージ天板面からの電極に集約する形とした。また、パッケージ試験時にはそれぞれの面に搭載されたチップの配線を同じ面の電極から全て引き出せる形にもなっており、電気特性試験が片側からのアクセスで完結する形状としている。(両面チップの検査は、途中で一度パッケージをひっくり返し再実装することで実現する。) 本パッケージは周辺回路を実装したプリント基板に他素子と同様な手段(はんだ付けないしはICソケット)により固定され、天板面からの信号は両側にコネクタを持ったフラットケーブル1本で基板に接続することで全ての配線を完了する。 以上の形状のパッケージの設計・製作を完了し、量産実装に適した外部形状の見込みを得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本来は前年度に完了する予定であった量産パッケージ試作であるが、材料の根本的見直しにより年度を跨いだ遅れと量産手前段階のメカニカルモデルの試作に留まっている。
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Strategy for Future Research Activity |
メカニカルパッケージは実素子を使用し電気配線も行われているため、基本的な動作検証とミューオン検出試験も原理的には可能である。本研究課題期間中にはこれを早急に行うことを目指す。
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