2017 Fiscal Year Annual Research Report
免疫性炎症と尿路上皮剥離の遺伝学的変化探索によるハンナ型間質性膀胱炎の病態解明
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17H06639
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
秋山 佳之 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (20529135)
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Project Period (FY) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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Keywords | 泌尿器科学 / 間質性膀胱炎 |
Outline of Annual Research Achievements |
次世代シーケンサーによる浸潤リンパ球のレパートリー解析:これまでの研究結果では浸潤リンパ球のうち、B細胞のクローナル増殖がHICでは極めて特徴的であったことから、B細胞抗原受容体遺伝子の網羅的次世代シーケンスによるレパートリー解析の症例数を蓄積した。具体的には、ハンナ型IC(HIC)25症例、またコントロールも6症例に対してB細胞のレパートリー解析を施行した。HICでは、半数以上でモノクローナルに近い、極めてクローナリティの高いB細胞集団が浸潤していることを同定した。一方、膀胱癌、慢性膀胱炎、形態的正常所見を呈する非特異的膀胱ではいずれもHICに比するとB細胞のクローナリティは低く、B細胞のクローナル増殖がHICに特徴的な所見であることが示唆される。さらに、ハンナ型IC,非ハンナ型IC,過知覚膀胱、コントロール(膀胱癌背景正常粘膜)を対象に、網羅的遺伝子発現解析(RNA-seq)を施行し、遺伝子発現の面でもハンナ型ICが特異的な疾患単位であることを同定した。さらに、ハンナ型ICにおいて、特異的有意に発現が変動していた遺伝子に対するpathway解析を施行し、BAFF(B cell activating factor)、VEGFがHICにおいて特異的に発現上昇を来しており、これらはハンナ型間質性膀胱炎における新規治療標的/バイオマーカーとなりうる候補であることを見出した(論文準備中)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ハンナ型間質性膀胱炎の炎症特性や特徴的サイトカイン遺伝子発現プロファイリングなど予定していた研究計画に沿って進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は、ハンナ型間質性膀胱炎の背景遺伝子異常の探索を行う。具体的には、ハンナ型間質性膀胱炎症例の膀胱組織及び血液をサンプルとして全エクソン解析を行い、体細胞遺伝子変異を探索するとともに、RNA-seqも同時に施行して融合遺伝子の検出を試みる。また、血液サンプルのDNAデータを用いて、HLAタイピングやGWASを行い疾患感受性因子の同定に迫りたい。
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Research Products
(9 results)