2018 Fiscal Year Annual Research Report
Predicting The Microclimate Modification Effects by Urban Trees Using 3D Spatial Information and Soil-Plant-Atmosphere Continuum Model
Project/Area Number |
17H06675
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
清野 友規 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 研究員 (20807143)
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Project Period (FY) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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Keywords | 都市緑化 / 樹木 / 熱環境 / 蒸発散 / 降雨遮断 / 確率過程 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度では、樹冠の熱・放射収支計算と気流解析を併せることで夜間における都市樹木の熱環境調整効果を評価し、国際会議(10th ICUC)にて成果を発表した。さらに、街区スケールの数値シミュレーションへの導入が容易な蒸発散・水収支モデルを導入し都市熱環境評価への利用可能性を検討した。 蒸発散量は土壌含水率が特定の閾値以下になると急速に減少するため、その熱的効果を活用するためには、閾値以上の含水率の維持が重要である。樹木・土壌の水収支を予測する直接的な解法としては熱・水分同時移動計算があるが、数万メッシュを超える街区スケールの計算には負荷が高い。更に、降雨の水収支への影響は数日~数週間の時間スケールで持続するため、助走計算の負荷は膨大になる。そこで本研究では、土壌含水率、および最大限の蒸発散を期待できる期間長さの簡便な予測手法として、定常的な気候条件下での日毎の水収支パターンの出現頻度を解析的に求められるRodriguez-Iturbe & Porporato (2004) の確率的水文モデルに着目し、熱環境評価への応用を試みた。具体的には、まず、土壌表面温度が上昇(蒸発散量が低下)する含水率の閾値の実態、および単木の降雨遮断特性の実測によって明らかにした。さらに、最大限の蒸発散を期待できる期間長さが夏季の内どの程度の割合を占めるか、確率的水文モデルを利用して、夏季の内、最大限の蒸発散を期待できる期間長さを評価した。その結果、東京夏の灌水が行われていない街路樹を想定した条件では、評価期間の80%以上の割合において樹木が乾燥ストレス下にあるとことが分かり、蒸発散による熱環境調整効果が有効に活用されていない可能性が高いことが示された。ただし本研究の結果は、ある特定の樹種・土壌容積のサンプルを対象とした試算にとどまるため、パラメータ設定の一般化・予測可能性について今後の検討が必要である。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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