2017 Fiscal Year Annual Research Report
The anticancer activity of catechol-typed lignan and neolignan in Jatropha seeds
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17H06914
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
片木 絢子 香川大学, 農学部, 協力研究員 (30799458)
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Project Period (FY) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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Keywords | ジャトロファ / リグナン / カテコール / イソアメリカノールA / MCF-7 / HuH-7 / HeLa |
Outline of Annual Research Achievements |
1. カテコール型リグナン・ネオリグナン類の化学合成 : カフェ酸エチルを無水THF中でDIBAL-Hによって還元し、カフェイルアルコールを得た。これをアセトン-トルエン中で炭酸銀により脱水素重合させ、イソアメリカノールAを得た。 2. カテコール型リグナン・ネオリグナン類の分離・精製 : カテコール型リグナン・ネオリグナン類の化学合成が予定通りに進まない場合に備えて、ジャトロファ種子からの分離・精製を行った。ジャトロファ種子は、ソックスレー抽出器を用いて、ヘキサン、酢酸エチル、メタノールによる逐次抽出を行った。メタノール抽出画分は、二層分配し、各種クロマトグラフィーにより分離・精製を行い、8種類のカテコール型リグナン・ネオリグナンを単離・同定した。 3. 抗酸化作用と抗癌作用 : ジャトロファ種子でソックスレー法の抽出や二層分配を行い、最終的にメタノール抽出法と酢酸エチル抽出法でそれぞれさらに有機層と水層の4区画に分けた。その4区画からポリフェノール量を調べるためにFolin-Ciocalteu法を行い、また抗酸化作用を調べるためにthe 1,1-diphenyl-2-picryl-hydrazyl (DPPH) radical scavenging 法を行った。また更に、その4区画をHuH-7(ヒト肝癌細胞)やMCF-7(ヒト乳癌細胞)に添加し、それぞれの抗癌作用について調べ、その4区画すべてにおいて濃度依存的な癌細胞増殖抑制効果があることを明らかにした。さらに ポリフェノール量と抗酸化作用の特に高かったメタノール抽出有機層に含まれるイソアメリカノールAのMCF-7での高濃度での特異的増殖抑制効果、またHela(ヒト子宮頸癌細胞)における低濃度での特異的増殖抑制効果を明らかとし、論文投稿した (Natural Product Communications, 2017)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね、順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの実験でイソアメリカノールAによるヒト乳癌細胞(MCF-7とMDA-MB-231)、ヒト肝癌細胞(HuH-7)、ヒト子宮頸癌(HeLa)の増殖抑制効果について検証し、その方法は確立している。3,3’-ビスデメチルピノレジノール、アメリカノール A、イソプリンセピン、プリンセピンなどのカテコール型リグナン・ネオリグナン類を同様の方法にて行い、増殖抑制効果は、cell counting kit (wako) を用いて検証する。 また、イソアメリカノールAによるヒト子宮頸癌(HeLa)への細胞増殖抑制メカニズムの解明をする。イソアメリカノールAで処理、及びコントロールのHeLa細胞をタネル染色し、アポトーシス誘導作用を分析する。それら2つの細胞をホルムアルデヒドで固定したのち、ヨウ化プロピジウムで染色し、フローサイトメトリー分析にてイソアメリカノールAがHeLa細胞に対する細胞周期アレスト作用を調べる。 さらに、イソアメリカノールAで処理、及びコントロールのHeLa細胞を回収し、マイクロアレイ解析・分析を行う。そして、マイクロアレイ結果から、イソアメリカノールA 処理によって細胞に2倍以上発現が増加した因子、また半分以下に減少した因子に焦点をあて、ウェスタンブロット法やリアルタイムPCR法でタンパク質や遺伝子レベルでの発現比較を確認する。 最終的に、選択した増殖抑制が最も高かったカテコール型リグナン・ネオリグナンで最も増殖抑制効果を示したヒト癌細胞を用い、タネル染色、フローサイトメトリー分析、マイクロアレイ分析、ウェスタンブロット法やリアルタイムPCR法を行う。カテコール型リグナン・ネオリグナンの抗癌メカニズムを明らかにする。
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