2017 Fiscal Year Annual Research Report
ラマン分光法を用いた顎骨壊死の病態解明と診断技術への応用
Project/Area Number |
17H07017
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
足立 圭司 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70457951)
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Project Period (FY) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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Keywords | ラマン分光法 / ビスフォスフォネート関連顎骨壊死 / 破骨細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ラマン分光法を用いビスホスホネート系薬剤関連顎骨壊死(以下、BRONJ)の病態解明を行う。BRONJの病態は十分に解明されておらず、その診断方法を確立することは急務となっている。我々は、高感度に分子レベルの解析を行うことができるラマン分光法に着目した。ラマンスペクトルは分子の指紋と呼ばれており、細胞や組織を生きたまま標識や固定を行わず、非侵襲的に分子レベルの解析が可能である。そのため、医療分野や創薬分野での応用が期待されている。ラマン分光解析を行うことで、BRONJのバイオマーカーを同定し、その発症メカニズムを解析出来ると考えられる。本法は、レーザーラマン顕微鏡を用い、BRONJの発症に関与する破骨細胞より特有のラマンスペクトルを取得することで、BRONJの病態解明と診断法の確立を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度は、ガラス基板上で培養した破骨細胞のラマンプロファイリングにより、破骨細胞特有のラマンスペクトルを取得することができた。これは当初の計画通りである。また、より生体に近い環境でラマンプロファイリングをする計画についても、現在進行中である。以上より、研究は全体としておおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は、象牙基板上で培養した破骨細胞(骨吸収している状態)のラマンスペクトルを取得し、ビスホスホネート系薬剤関連顎骨壊死の臨床診断に応用可能な新規バイオマーカーを探索する。これにより、プラスティクのプレート上ではできなかった、破骨細胞の骨代謝の分子イメージングが可能となる。また、ビスフォスフォネート系薬剤が破骨細胞の骨吸収に与える影響を調べる。マウス由来マクロファージ様細胞株RAW264.7またはプライマリーなラビット骨髄細胞を象牙上に播種し、ビスフォスフォネート系薬剤の存在下または非存存下で破骨細胞へ分化誘導し、レーザーラマン顕微鏡で破骨細胞特有のラマンスペクトル探索やビスフォスフォネート系薬剤が破骨細胞の骨吸収に及ぼす影響を明らかにする。
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