2017 Fiscal Year Annual Research Report
減量前体脂肪率を指標としたアスリートの減量のためのエネルギー摂取目安量の確立
Project/Area Number |
17H07402
|
Research Institution | National Agency for the Advancement of Sports and Health |
Principal Investigator |
近藤 衣美 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター, スポーツ科学部, 契約研究員 (50515707)
|
Project Period (FY) |
2017-08-25 – 2019-03-31
|
Keywords | 減量 / アスリート / 身体組成 / エネルギーバランス / 二重標識水法 / 4成分モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
現在、減量時のエネルギー負債量は体重1kgの減量につき7700kcalとして減量計画を立て、アスリートや一般人の栄養指導や運動指導に用いられている。これは減量によって減少する組織の87%が脂肪であるとの仮説に基づいている。しかし、減量で減少する脂肪組織と除脂肪組織の割合は様々であり、特に体脂肪量の少ない人では体重減少に占める除脂肪組織量が多いことが報告されている。アスリートにおいても競技種目により身体組成は様々であるが、アスリートの特徴として体脂肪量が少なくても減量しなければならない場合がある(体重階級制競技や競技に適した身体づくりなど)。しかし、各々の減量前の体脂肪量によって減量に要するエネルギー負債量が異なる可能性がある。そこで本研究は、身体組成測定の4成分モデル(空気置換法、二重エネルギーX線吸収法、安定同位体希釈法を用いたモデル)および二重標識水法または三軸加速度計と心拍計の併用によるエネルギー消費量測定とエネルギー摂取量からエネルギーバランスを算出し、アスリートの体脂肪率と減量に要するエネルギー負債量との関連を検討することを目的とした。 本年度は様々な競技種目のアスリートのエネルギー消費量測定を行うための予備実験を行った。本研究で用いる心拍計は、その測定原理から特に練習中やトレーニング中のエネルギー消費量を測定するのに適していると言われている。しかし、今回の対象者は様々な競技種目のアスリートであり、競技によっては心拍計の装着部位が限定されるなどの問題が考えられた。そこで、軽量で小型の光学式センサーによる心拍数測定の妥当性について検証した。その結果、従来の心拍計と新規の光学式心拍センサーから得られた心拍数との間に高い相関が得られた。この結果から、本実験で光学式心拍センサーを用いて練習中及びトレーニング中のエネルギー消費量を算出することとした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実験開始の準備は予定通り進めていたが、実験計画(特に身体組成測定法として二重エネルギーX線吸収法を使用すること)について倫理審査委員会による承認を得ることに予定よりも時間を要し、本実験開始が遅れている。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後、40名の減量を希望するアスリートに協力を依頼し、6月から12月までの約半年で測定を終える予定である。現在、被験者の募集を開始し、測定準備を進めている。1月から3月にかけて検体の分析及びデータの解析を行い、アスリートの体脂肪率と減量に要するエネルギー負債量との関連を見出し、学会発表と論文執筆を進める。
|