2017 Fiscal Year Annual Research Report
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17J00828
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
杉本 裕司 大阪大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2019-03-31
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Keywords | 位相的弦理論 / 非摂動効果 / 幾何転移 / qq指標 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は開弦に関するリファインド位相的弦理論に関する研究を精力的に行った。 非摂動効果を加えた位相的弦理論の計算には、リファインド位相的弦理論に対する自由エネルギーを計算する必要がある。閉弦に対する計算手法はリファインド位相的頂点を用いることにより計算できるが、開弦に関しては上述のような確立した計算手法が存在しない。そこで間接的に計算すべく、幾何転移と呼ばれる、開弦と閉弦の間に成立する双対性が利用されることがある。私は慶應義塾大学の木村太郎氏と基礎物理学研究所の森裕紀氏と共に、従来知られていたリファインド位相的弦理論に対する幾何転移には不備があることを指摘し、矛盾のない結果を得るための処方箋を与えた。得られた処方箋の応用として、サイバーグウィッテン曲線の二重量子化であるqq指標が開弦におけるリファインド位相的弦理論で与えられることを示した。この時、2種類のDブレーンを挿入する必要があるが、その構成から世界体積理論が超群になることが示唆される。さらに、位相的弦理論の非摂動的定式が2次元曲面の量子化で与えられる事を考慮に入れると、サイバーグウィッテン曲線の二重量子化はリファインド位相的弦理論の非摂動的定式を与える可能性があることを示唆している。リファインド位相的弦理論の分配関数は、4次元超対称ゲージ理論の分配関数と対応しており、その観点からもこの研究成果は有意義であると言える。 上述の研究結果は「Refined geometric transition and qq characters」というタイトルでJournal of High Energy Physicsに発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上述の通り、位相的弦理論の非摂動効果を計算するためには、開弦に関する計算方法を確立する必要があるが、本研究ではそれに成功した。現在、非摂動効果を計算し、任意の弦の結合定数に関して自由エネルギーが有限であることを確かめ、さらに2次元曲面の量子化を行い、両者の結果を比較することにより、我々の処方箋の妥当性を検討するつもりである。
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Strategy for Future Research Activity |
去年度の私の研究に、非摂動効果を含めた位相的弦理論とホフスタッター模型と呼ばれる物性理論の対応を述べたものがある。それは閉弦理論に関するものだったので、開弦に関しても対応があるのかを調べていくつもりである。
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Research Products
(6 results)