2018 Fiscal Year Research-status Report
Study of a high secure authentication protocol for the intelligent transportation system
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17K00192
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
猪俣 敦夫 東京電機大学, 未来科学部, 教授 (90505869)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ITS / ペアリング暗号 / GPGPU |
Outline of Annual Research Achievements |
UBERの国内展開をはじめ、また自動車に情報提供サービスなどが一般的に利用されるようになった2018年、自動運転技術はもはや未来のものではなくなっていることが一般社会にも広く知られるようになった。しかしながら、自動運転タクシーによる事故など、完全に事故が無くなるというところまで到達するにはまだまだ時間がかかるものと思われる。このような背景の元、自動車ではメンテナンスや事故の状況を把握するために、車載されたコンピュータに接続されるOBD2と呼ばれる特別なメンテナンスポートが搭載されており、また一般向けにもそのポートに接続されるデバイスが多数存在している。あいにく、そのメンテナンスポートを利用した不正な制御を行うためのデバイスによる攻撃事例も報告されている。 本研究課題では、ITS(Intelligent Transportation System)に着目し、車載された計算機と情報端末との通信の安全性を確立するための技術を生み出すことが目標である。具体的には、自動車などの計算能力や厳しい動作環境等の様々な制約条件のもと、高速に認証処理(暗号計算)を実現するための機能を検討し、その評価を行うことにある。その手段としては楕円曲線上に定義される体から構成されるペアリング演算に着目し、計算処理負荷が大きくなるとされるモジュール群を車載向けに軽量化したアルゴリズムを確立し、その有効性を評価するものである。 結果として、研究2年目においては、車載計算機と情報端末とのやり取りで扱われるデータの悪用というセキュリティ・プライバシ保護の視点で評価を行った成果を取りまとめ、国際会議に論文投稿し、採択された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画書に記載の通り、初年度は実機実装を行い、接続可能なOBD2ポートの詳細の調査を元に、入出力情報の整理を行った。その結果を踏まえ、計算負荷が大きくなりうるモジュール群の軽量化を行い、初期のシステムの実装を完成させた。2年目では、計算量の軽減を目指した実装を継続的に行い、nvdia製のGeForce(GPUグラフィックボード)上で評価検証を行った結果、動作までは確認が出来た。一方、動作が安定せずその原因追求も並行して行っているが、命令セットの問題と考えており、今後は他のGPUグラフィックボードでも検証予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目では主にGPUグラフィックボード上での検証を行ったが、1機種のみで実装しただけであり、他のGPUグラフィックボード上での検証も並行して進める予定である。さらに、実機実装として車載上での評価実験を行うことも予定しており、通信圏内あるいは圏外の状況を仮想的に作り出し、その認証の確立が提案モデルとしても動作可能かどうかについても検証する予定である。
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Causes of Carryover |
当初物品として購入を計画していたGPGPUボードが予定よりも大幅に安価に購入できたため、その差額分に余剰が出た。次年度においては研究計画もある通り、実機実装を行うため当該ボードよりも小型のものを購入する予定であり、その費用として補填する予定である。
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