2022 Fiscal Year Annual Research Report
Neural mechanisms of assimilation and contrast effects in attractiveness judgments in visual perception
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17K00211
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Research Institution | Tamagawa University |
Principal Investigator |
高橋 宗良 玉川大学, 工学部, 准教授 (70407683)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 選好判断 / 魅力度評価 / 顔 / 表情認知 |
Outline of Annual Research Achievements |
魅力度に基づく選好判断時に、注意を向けた評価対象の魅力度に対して、注意を向けていない周辺の非評価対象の魅力度が潜在的に影響を及ぼすことがある。この影響には同化効果と対比効果のふたつがあることが知られているものの、その発生機序は不明である。本研究では、潜在的な価値判断に関与する大脳基底核と顕在的な価値判断に関与する眼窩前頭皮質をはじめとする報酬関連領域の活動と、それらの情報を計算・統合する領域としての前帯状皮質の活動を機能的磁気共鳴画像法(fMRI)で計測し、選好判断における魅力度の同化効果と対比効果の発生機序とそれらの切り替わりを制御するしくみを明らかにすることを目的とした。顔画像を用いたふたつの効果の発生に大きな個人差が見られたことと、COVID-19流行の影響を踏まえ、本研究では被験者のパーソナリティが顔選好に及ぼす影響の確認をオンラインで検討可能なシステムの構築を行った。実験では、顔画像提供者のパーソナリティをBig Five尺度によって5つの因子で得点化し、データベースから各因子の高得点者の顔画像10枚と低得点者の顔画像10枚を合成することで、各パーソナリティを反映した刺激画像を作成した。この顔画像を男女の大学生に見せて選好判断をさせた。また、被験者にはBig Five尺度を反映した性格の形容詞表現を提示し、その性格を持つ人物の選好についても判断させた。実験の結果、女性では顔画像と形容詞表現の選好パターンに一致が見られたものの、男性では有意な一致が見られなかった。このことから女性は顔から読み取った性格傾向で選好を判断するのに対して、男性は異なる基準で選好判断している可能性が示唆された。顔画像の同化・対比効果に見られた個人差はこのような選好判断の性差と好む性格傾向の個人差を分析に反映させることで、より詳細な検討が可能になるものと推察される。
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Research Products
(1 results)