2017 Fiscal Year Research-status Report
A Study of Probabilistic Risk Evaluation for Software Requirements based on Bayesian Network
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17K00354
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Research Institution | University of Marketing and Distribution Sciences |
Principal Investigator |
持田 信治 流通科学大学, 商学部, 教授 (40412374)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
磯貝 恭史 流通科学大学, 商学部, 教授 (00109860) [Withdrawn]
満行 泰河 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 助教 (40741335)
稗方 和夫 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (80396770)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ベイジアンネットワーク / ベイジアン推定 / 見積もり / プロジェクトマネジメント |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目標はシステム開発リスクを評価する確率的モデルを構築することである。具体的にはまずインフルーエンスダイアグラムを用いて要求仕様の難易度評価を行い、次にベイジアンネットワークを用いてシステム開発リスクを評価する確率的モデルを構築する。そこで、H29年度は要求仕様の難易度測定手法の高度化と要求仕様が置かれている状況のモデル化を進めた。具体的にはコストシェアレートの精度向上とインフルーエンスダイアグラムによる要求仕様の状況表現手法の検討を行った。コストシェアレートはそれぞれの要求仕様がシステム全体の開発費用に占める費用割合を示し、間接的にコストシェアレートは要求仕様の難易度を示す。そこで、本研究では仕様実現の難易度を次のように定義した。仕様実現の難易度=仕様実現のための費用×記述精度 ここで、仕様実現のための費用はコストシェアレートで置き換えて計算する。そこでコストシェアレート計算精度向上のための試行を行った結果、オーバーラッピングキーワードを分析する手法が有効であるとの結果を得た。オーバーラッピングキーワードとはキーワードグループと要求仕様の両方に出現するキーワードのことである。オーバーラッピングキーワードを分析手法の場合、分類精度向上のためにキーワードグループを修正することが容易であるため、ニューラルネットワークを用いた要求仕様の分類より分類精度向上を果たした。本結果は国際学会及び国内の学会にて発表を行った(学会発表項目の1,2)。 更にインフル―エンスダイアグラムを用いて要求仕様が置かれている状況を可視化するツールの実現に向けて、要求仕様中の制御可能と制御不可能なパラメータの関係について検討を進めている。加えてシステム開発リスクを評価する確率的モデル構築に向けて、システム開発におけるリスクの主観的確率について検討を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までの主な進捗は以下の通りである。 (1)コストシェアレートの計算精度向上を果たした。 仕様実現の難易度は仕様が属する機能分野に影響を受けると想定されたため、当初、要求仕様の分類精度向上をニューラルネットワークを用いて進めた、しかしニューラルネットワークは要求仕様の分類の再現性が低いため、自然言語処理を用いて要求仕様の分類を試行した。具体的には、画面と言う、単語が含まれる要求仕様はマンマシンインターフェース分野に分類され、画面関連の要求仕様は仕様実現の難易度も高く、重要性も高い。そこで試行の結果、要求仕様の分類を表現する代表的なキーワードグループを作成して、要求仕様と代表的なキーワードグループ間のオーバーラッピングキーワードを分析する手法が有効であるとの結果を得た。オーバーラッピングキーワードとはキーワードグループと要求仕様の両方に出現するキーワードのことである。オーバーラッピングキーワード分析手法は、キーワードグループの修正が容易であるため、ニューラルネットワークを用いた要求仕様の分類より性能向上が図れた。本結果は国際学会及び国内の学会にて発表を行った(学会発表項目の1,2)。 (2)インフル―エンスダイアグラムを用いて要求仕様が影響を受ける要因を可視化するツールの設計を進めた。 インフル―エンスダイアグラムを用いた要求仕様が影響を受ける要因の可視化に向けて確実な要素と不確実な要素パラメータの検討を進めている。加えてシステム開発リスクを評価する確率的モデル構築に向けて、システム開発におけるリスクに対する主観的確率について検討を行っている、更に主観確率を構成する要因について検討を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
H29年度の結果より、コストシェアレートの計算精度向上は代表的なキーワードグループと要求仕様間のオーバーラッピングキーワードを分析する手法を用いることに変更した。更にコストシェアレートによる要求仕様の難易度分析の結果から、逆にシステム開発費用を設定して許容される要求仕様の難易度を推定する可能性が見いだされた。そこで想定されるシステム規模から開発費用を設定して、次に許容される要求仕様の難易度を推定する手法の有効性検討を目標として追加した。そしてH30年度の具体的な進め方は次の通りである。(1)システム開発リスクを評価する確率的モデル構築に向けて、インフル―エンスダイアグラムを使用して要求仕様が置かれている環境要因を可視化するツールの開発を目指す。(2)協力企業から収集した要求仕様情報に対してまず、コストシェアレート分析を行い、複数のシステム開発の情報から重要度の高い要求仕様の抽出を行う。次に抽出された要求仕様の遷移経緯を分析することにより要求仕様中の確実な要素と不確実な要素のパラメータ化を行い、取得したパラメータをインフル―エンスダイアグラム上に展開して要求仕様を表現する。(3) インフル―エンスダイアグラム中のパラメータの定量的変化の様子と人の主観的判断の様子の比較を行い、インフル―エンスダイアグラムを使用したリスク判断の流れに関する表現力を検証する。そして検証は研究参加者全員にて行う。 そしてH31年度はH30年度の成果を使用してシステム開発リスクを評価する確率的モデルの構築を目指す。具体的にはH30年度に得られた、要求仕様単体のインフル―エンスダイアグラムモデルを複数の要求仕様の関係間表現に機能拡大を行い、更に要素間の関係に確率値を与えることによりシステム開発リスクを評価する確率的モデル構築を行う
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Causes of Carryover |
H29年度に予定していた海外発表が遅れているため、当該海外発表はH30年度に実施する予定である。
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Research Products
(6 results)