2020 Fiscal Year Research-status Report
変角光学的要因に基づく「本物らしさ」の質感知覚の解明
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17K00391
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Research Institution | Niigata University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
増田 修 新潟医療福祉大学, 医療技術学部, 教授 (90775967)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内川 惠二 神奈川工科大学, 公私立大学の部局等, 客員教授 (00158776)
古川 貴雄 共立女子大学, 家政学部, 教授 (70262699)
長谷川 誠 東京電機大学, 工学部, 教授 (80303171)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 質感知覚 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までの成果として、実験により、試料を電動ゴニオメータで自動的に動かした場合に比べ、試料を被験者自身が手動で動かした方が、各試料間の「本物らしさ」の差がより明確に感じられることが分かった。そこで、この結果を更に検証するための追加実験を計画していたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、十分な被験者を集めることができず、断念した。 今年度に、本研究課題の後継課題として、「本物らしさ」の質感知覚における脳神経メカニズムを解明しようとする新たな研究課題が採択されたため、この後継課題にも寄与できる別の実験を検討し、実験装置と、電動ゴニオメータの駆動プログラムを試作した。 昨年度までの成果を論文としてまとめるに当たって、考察を深めるための文献調査を行った。昨年度までの結果は,被験者が能動的に試料を動かしながら真偽判別を行うことにより、単に受動的に試料を観察しているだけの場合よりも、真偽判別における「本物らしさ」の差が明確化されることを示唆しているため、これに関連して、被験者の能動的観察が視覚的課題に与える影響について調べた先行研究を渉猟した。例えば、櫻井、加藤 (1995) によれば、仮想環境での空間学習において、乗り物に乗っている場合のように受動的に刺激を観察した場合に比べて、自ら空間内を能動的に移動しながら刺激を観察した場合の方が、刺激の空間内での布置をより正確に評定できた。これは、単に視覚のみの情報しか与えられない場合よりも、前庭感覚や筋運動感覚の情報が付加された方が空間関係の把握がより正確になったものと考えられる。本研究の結果も、このような観点から考察を深めながら、追加実験で検証を進め、早急に投稿論文としてまとめる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染拡大に伴い、被験者の確保が困難なため。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルス感染の収束を待って、再び被験者を募集し、実験を再開する。これと並行して、これまでの結果について考察を深める。実験が再開出来ない場合は、これまでの結果に基づいて投稿論文にまとめる。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染拡大に伴い、被験者の募集ができず実験が進まなかったため。新型コロナウイルス感染収束を待って、実験を再開する。これと並行してこれまでの結果の考察を深めるための文献調査を行う。
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