2017 Fiscal Year Research-status Report
How Platforms Are Reshaping Scholarly Communication?
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17K00451
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
三根 慎二 三重大学, 人文学部, 准教授 (80468529)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 学術情報流通 / プラットフォーム / エコシステム / オープンアクセス / オープンサイエンス |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,1)プラットフォーム概念の整理および2)学術情報流通におけるプラットフォームの事例調査に向けた調査計画の立案を行った。 プラットフォーム概念の整理に関しては,まず国内外のプラットフォーム研究関連の先行研究と学術情報流通におけるプラットフォームを扱った研究の網羅的文献探索を行った。前者に関しては,主に中心的研究者の著作やレビュー論文を対象に,エンジニアリング・デザイン(新製品開発,オペレーションズマネジメント,技術戦略)と経済学(産業経済学・産業組織論)におけるプラットフォーム概念(①製品プラットフォーム,②サプライチェーン・プラットフォーム,③産業プラットフォーム,④多面市場プラットフォーム)について整理した。一方,学術情報流通においては,特定のサービスをプラットフォームと呼ぶことはあるものの定義なしでの利用に留まっていること,プラットフォーム概念を扱った研究は学術雑誌の価格構造に関する経済学分野のものを除いて,ほぼ皆無であることが分かった。収集した関連文献リスト(図書・雑誌論文・ウェブサイトなど)は,ホームページ上で公開・随時更新している(http://lis.human.mie-u.ac.jp/post/161536774281/how-platforms-reshape-scholarly-communication)。 学術情報流通におけるプラットフォームの事例調査に関しては,特定商業出版社の電子ジャーナルプラットフォームを対象に,なぜ現在のような先導的役割を果たし,他社への強い影響力を保つことができたかを明らかにすることを目的として事例調査の研究計画を立案した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
プラットフォーム概念の整理に関しては,当初の予定通り,網羅的文献収集と中心的研究者・研究の識別,文献レビューは実施できた。学術情報流通における事例研究に関しては,当初の計画であった特定のプラットフォームに限定しない全体像把握から,特定プラットフォーム(電子ジャーナル)に変更したものの,調査計画の立案は順調に進んでおり特段の問題はないと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,電子ジャーナルを対象に,ドミナントデザイン概念を用いて,特定商業出版社の電子ジャーナルプラットフォームがなぜ電子ジャーナルプラットフォーム市場の支配を勝ち取ちとることができたのか明らかにするための調査を行う。具体的には,主な商業出版社・学協会の電子ジャーナルプラットフォームを対象に,EJプラットフォームの①市場調査と②機能調査を行う予定である。
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Causes of Carryover |
当初予定していた物品費(図書,論文複写費)に関して,より安価な電子書籍版やオープンアクセスのものが多数該当していたため,差額が生じた。次年度使用額は,引き続き物品費にあてる。
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