2019 Fiscal Year Research-status Report
アスリート競技力向上認知行動療法e-learningシステムの研究
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17K00491
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Research Institution | Hokkaido Information University |
Principal Investigator |
酒井 雅裕 北海道情報大学, 情報メディア学部, 准教授 (20520323)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宇土 昌志 宮崎大学, 教育学部, 講師 (10648588)
村上 雅俊 大阪産業大学, スポーツ健康学部, 教授 (50442398)
三村 覚 大阪産業大学, スポーツ健康学部, 准教授 (70529982)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 学習支援システム / 認知行動療法 / スポーツ心理学 / Web・モバイルシステム |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は各校の倫理審査による研究許可を受けて,本研究システム「アスリート競技力向上認知行動療法e-learningシステム」の被験者による実験に入った。実験は大阪産業大学と徳山大学で実施の予定であったが,分担研究者の異動による研究計画の変更のため,大阪産業大学のみで選出された13名の被験者によって2019年4月以降,2019年10月下旬まで実施された。 被験者の内6名(男子4名,女子2名)が実際のシステムにログインした。その6名の競技不安尺度(TAIS)アンケートの分布で特徴的な点は,「試合の結果が気になる」「ゆううつな気持ちになる」タイプが6名中5名該当し, 身体症状の「顔がこわばってくる」「身震いがする」については,ほとんどが該当しなかった。また「試合内容が悪いのではないかと不安になる」「失敗やミスが心配になる」「監督や仲間をがっかりさせるのではないかと不安になる」等の質問は結果が分かれた。これらの結果から,被験者は身体症状が出ないまでも,ある程度競技不安を抱えていることが明らかになった。本研究で実装したeラーニングシステムの5週間の自己学習コンテンツへの終了率は16%にとどまり,最終的な5週間の認知行動記録に到達した学生は0人となった。記録が続かなかった被験者への聞き取りでは「やりかたが不明瞭で,強制もされなかったので,忘れてしまった」とのことであった。 一般的なeラーニングシステムの欠点である自己学習が継続しない弱点が現れ,統計的なデータが集められない結果に終わった。被験者への自己学習の手法の効率の良い伝達は課題である。実験遂行の問題は,別の要因として研究分担者の多忙等があるが,次年度は解消される予定である。この問題の解消と実験継続を目的として,1カ年の研究継続を申請した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究分担者の本務校移動ならびに多忙等による実験実施の遅れが明確になったため。本年度は実験進捗の中間的な確認の研究会を二度(一回目対面,二回目web会議)しか開けず,実験進捗状況の挽回を図れなかった
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Strategy for Future Research Activity |
現在,大阪産業大学と宮崎大学でそれぞれ1カ年延長の研究倫理申請を実施し,大阪産業大学:人倫2019-013・宮崎大学:第23号として承認された。これを受けて北海道情報大でも研究倫理申請を実施予定であり,全体的な実験の推進の制約はない見通しである。 また本年度末,新型コロナウイルス感染症による対面での研究会が難しかったため,Web会議システムによる研究会を実施した。今後はWeb会議システムを打合せのシステムとして積極的に活用したい。 もう一つの研究実施の際の課題であった被験者への自己学習の手法の効率の良い伝達手法は,被験者任せにせずある程度研究分担者が主導する方向に今後切り替える。eラーニングシステムなどのICTによる心理的なアスリート支援が可能かの検証に絞って,システムの改良も含め効率的な実験を継続したい。
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Causes of Carryover |
本年度は多忙等により,分担研究者の中で執行がないケースが出ている。次年度には解決され適切な執行の予定である。
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