2019 Fiscal Year Annual Research Report
Study of the existence form of radioactive cesium -In the case of fine particles collected from the suburbs of FDNPP-
Project/Area Number |
17K00545
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Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
高瀬 つぎ子 福島大学, 共生システム理工学類, 特任准教授 (10466641)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 放射性セシウム / 量子化学シミュレーション / 粘土鉱物 |
Outline of Annual Research Achievements |
環境中に存在している微粒子中での放射性Csの吸着機構をモデル化する場合,花崗岩質土壌に多量に含まれる風化黒雲母は,『風化によって,黒雲母の層間に存在するKイオンが減少するために層間の相互作用が弱くなり,他のイオン(Csイオンなど)を取り込みやすくなる』という特徴をもっており,シミュレーションの出発物質として適している.そこで,平成30年度まで,「黒雲母のSiO2層間にアルカリ金属の吸着サイトが存在する」という想定のもと,層間に存在するアルカリ金属が,Kイオン,プロトン,Csイオンの場合の最適構造および自由エネルギーを計算し,Kイオンの脱離およびCsイオンの吸着の平衡定数を推定することにより,Csイオン吸着相が準安定状態になりうることを明らかにしてきた. 令和元年度は,Csイオンの吸着に対するpHの影響を考慮するために,Gaussian-16を用いて,「Kイオンの脱離→プロトンの吸着→プロトンの脱離→Csイオンの吸着」というプロトンが介在する機構の量子化学シミュレーションを行った.Csイオン吸着相の安定性(溶液中でΔGの変化)を推定する上で,プロトンのエネルギーや電子の水和エネルギーをどのように推計するかは重要な課題である.今回, Ru金属錯体の酸化還元反応の安定性の評価で実績があるプロトンや電子の水和エネルギーの実測データを用いることにより,自由エネルギーΔGの推計の精度を向上させ,Csイオンが安定に吸着できるpH条件を検討することができた.
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