2017 Fiscal Year Research-status Report
熊本地震と南海トラフ巨大地震の分析に基づく持続可能なグリーンインフラ防災手法
Project/Area Number |
17K00691
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
藤田 直子 九州大学, 芸術工学研究院, 准教授 (20466808)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 熊本地震 / 震災復興計画 / グリーンインフラ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,熊本地震と南海トラフ巨大地震の地理空間情報分析に基づいて,縮小する地方自治体でも持続可能なグリーンインフラ防災手法を確立する事を目的とする.初年度から2年目に掛けては,熊本県下の災害復興計画の収集と分析を行うと共に,地震発生直後から収集してきたデータを用いた自然災害発生パターンと時空間解析,地域に伝わる歴史的な災害伝承の収集と地理空間分析,グリーンインフラ適正地抽出のための景観生態マップの作成を行う. 本年度は,被災自治体が作成した復興計画からその計画と実態を分析し,震災そのものに依る景観変化と復興過程で生じる景観変化からグリーンインフラ定期聖地抽出のための景観生態マップ作成の準備を進めた.これらの成果は国内外における学術大会で口頭発表およびポスター発表を行うと共に,論文を執筆した(投稿中). また,熊本地震の自然災害発生パターンと時空間解析を行うため,熊本地震で被災した集落,神社,農地,景観地の実態を収集し,GISによる解析の準備を整えた.データは,既に取得済みのものを含め,災害履歴データ,自然条件データ(気象,降水量,土壌・地質・地盤,地形,動植物),社会条件データ(居住者,土地利用,防災拠点)等とした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度の研究は概ね順調に進展している.特に熊本地震に関する調査研究は問題ない.一方,南海トラフ巨大地震想定域に関する調査研究は,現地調査が次年度に延期されたものの,データ収集自体は問題なく進めることができた.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,グリーンインフラ適正地抽出のための景観生態マップの作成と行うため,初年度研究の熊本地震,南海トラフ地震の成果を用い,パターン毎に特徴を確認する.取得したデータをGISに取り込み,DEMによる3次元時空間解析を行い,景観生態マップを作成する.成果となるマップはデジタル地図,紙地図,3Dプリンタ立体地図の三種類を作成する. 更に,自主防災の取り組みと地域住民の空間認知の顕在化を行うため,聞き取り調査およびテキストマイニング手法とレパートリーグリッド発展手法を用いた分析により,地域住民の自主防災に対する認識と活動実態,および自然災害に対する意識と避難行動に対する空間認知の実態を明らかにする.調査には上述したデジタル地図,紙地図,3Dプリンタ立体地図を用いる.
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Causes of Carryover |
初年度実施予定だった太平洋岸の現地調査を2年目に行う事にしたたため執行計画に変更が生じた.2年目には当初の予定どおり執行できる予定である.
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