2018 Fiscal Year Research-status Report
Cost benefit analysis framework and social welfare function on climate change policy considering altruistic benefits
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17K00692
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
板岡 健之 九州大学, カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所, 教授 (90553959)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 気候変動対策 / 費用便益分析 / 利他的便益 / 表明選好法 / 選択実験 |
Outline of Annual Research Achievements |
従来の気候変動施策に対する費用便益分析において、明示的に考慮されていない利他的便益を組み入れた費用便益分析モデルを社会的選好に基づいて開発するため、気候変動影響削減について利他的便益を考慮した効用関数を導出するデータを得るための表明選好法調査(コンジョイント分析)案を2017年度作成したが、2018年度は、まず並行して実施したフォーカスグループの結果などを踏まえて調査票の改善を行った。 社会調査における基本的な質問は、「以下のような温暖化対策パッケージXあるいはYについて、あなたは税金増加を受け入れて、実施することを支持しますか。あなたは対策なしを支持することもできます、その場合は税金の増加はありません。支持する方にチェックの印をつけてください。」というものであるが、調査の改善は、回答者がいかに現実感をもって回答できるかという点と、選択肢のプロファイルの現実の政策との整合性、回答者の理解のしやすさについて行われた。 調査票の改善後、調査票を英語、インドネシア語に翻訳を行い、日本、米国で、2018年12月に、インドネシアでは、地震による社会混乱の影響を避けるため2019年3月に社会調査を実施した。サンプルサイズはそれぞれの国で1000である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画に沿って研究をすすめ、特に計画を阻害する要因が無かったため。
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Strategy for Future Research Activity |
2018年度に日本と海外(米国、インドネシア)で実施した社会調査の結果データを、主に混合ロジット(ランダム・パラメーターロジット)モデルにより分析を行い、温暖化対策に関する効用関数を構成する属性係数を利他的効用と利己的効用に分けて推定、割引率設定の基礎となる個人の純粋時間選好推定も実施する。 社会厚生関数の議論を基にした費用便益の社会における合算および世代間の合算方法の検討を行い、費用推計に利用する気候変動統合モデルの検討結果、効用関数の推定係数、純粋時間選好のデータ等を合わせて、利他的便益を明示的に含む費用便益分析モデルの構築し、気候変動施策の評価を行う。
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Causes of Carryover |
3か国で実施した社会調査実施費用の合計額が、当初予定よりもわずかに少なかったため。次年度調査の旅費に組み入れて使用予定。
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