2017 Fiscal Year Research-status Report
Visualizing Design Method for Developing Creativity
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17K00710
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
渡邉 誠 千葉大学, 国際教養学部, 教授 (50272349)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邉 慎二 千葉大学, 大学院工学研究院, 教授 (40770095)
小野 健太 千葉大学, 大学院工学研究院, 准教授 (70361409)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | サービス・デザイン / デザイン・プロセス / インハウス・デザイン / インダストリアル・デザイン / デザイン・マネージメント |
Outline of Annual Research Achievements |
日本のデザインの歴史を反映していると言っても過言ではないグッドデザイン賞は、「グッドデザイン選定制度」として、1957年に設立され、2016年には60回を迎えている。このグッドデザイン賞の歴史を見ると、1997年には「インタラクション・デザイン賞」という特別賞が制定され、テクノロジーに裏付けされた新たなデザインの3つの視点について述べられている。その2年後の1999年には、新領域のデザインに対応すべく「テーマ部門」という審査のカテゴリーが加わり、「この新設部門は、いわゆる「ことのデザイン」を中心とし、ビジネスモデルの構築、企業全体のデザインマネージメントなどビジネ領域のデザイン、エコロジーシステム、地域づくりなどの社会システムのデザイン、あるいはテクノロジーとデザインの融合による技術革新などを対象としている」と述べられている。部門審査講評においても、「共通の一定尺度で評価することが難しいデザインの領域の現状と、Gマークの変容を象徴する事件である」と述べており、デザイン領域の変容をGマークが受け入れ、それを示唆する賞が制定されたことを意味していると判断できる。このように、1990年後半から2000年にかけて、デザインの領域が広がりと変容をなしている。 デザインの対象が、従来の「製品」ではなくなり、プロダクト・デザインやインダストリアル・デザインからサービス・デザインやソリューション・デザインに拡大され、従来から存在していた日本の企業内デザイン部門でも、デザイン部門に新しいデザイン領域に対応可能な部署を作り対応してきている。本研究は、このような企業内デザイン部門におけるデザイン・プロセスがどのように変わってきているかを明らかにするために2つのケース・スタディをもとにプロセスがどのように変わったのかを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、当初の計画通りに進んでいる。本年度は企業内デザイン部門におけるデザイン・プロセスがどのように変化しているかを明らかにすることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は、今日のように、デザインの対象がサービス・デザインやソリューション・デザインに拡大される中で、日本の特徴である企業内デザイン部門におけるデザイン・プロセスがどのように変化しているかを明らかにすることを目指したものである。日本の企業内デザイン部門の多くは、そのデザイン部門の中にこれらの新しいデザイン領域に対応が可能な部署を設けている。これらの部署におけるデザイン・プロセスが従来のデザイン・プロセスとどのように変わってきたのか、あるいはその特徴は何かを、デザイン部門へのインタビュ0―によるケース・スタディをもとに明らかにした。その結果、サービス・デザインの特徴は、「1先行プロセスにおける使用者による評価やビジネスの検証の実施」「2先進技術による高度なプロトタイプの作成を全プロセスで実施3段階的に具現化するプロセスはサービス・デザインでも健在」にまとめることができることがわかった。中でも一番特徴的なのは、これまで、企業が企業の中だけで評価を行なってきた先行デザインのプロセスが、外部の評価を伴うプロセスとなっていることがわかった。その一方で、「より具現化する」というデザインの基本プロセスは変化していないということも確認できた。本研究では、このデザインプロセスをもとに、方法論の体系化を行う。特に、メソッドとして体系化が可能な部分を明らかにし、今後方法論を体系化して行く。
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Causes of Carryover |
残額957円を次年度に繰り越しました
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Research Products
(1 results)