家政学と人間工学を融合した家事労働の解析ーケイパビリティ・アプローチを用いてー

2017 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 17K00751
• Research Institution: Ochanomizu University
• Principal Investigator: 斎藤 悦子 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 准教授 (90298414)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 萬羽 郁子 東京学芸大学, 教育学部, 講師 (20465470) ; 大竹 美登利 東京学芸大学, 教育学部, 名誉教授 (40073564) ; 西田 佳史 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 首席研究員 (60357712) ; 高松 淳 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 准教授 (90510884)
• Project Period (FY): 2017-04-01 – 2021-03-31
• Keywords: 生活時間行動分類 / 国際生活機能分類 / ケイパビリティ・アプローチ / 家政学 / 人間工学

Outline of Annual Research Achievements

家事労働の「新行動・機能分類コード」の作成を行った。具体的には、家事労働の中の食家事労働に絞って検討することとした。家政学分野については生活時間行動分類をもとに、食家事労働の行動分類を作成した。その後、人間工学分野で用いられている国際生活機能分類（ICF）との照合を行い、食家事労働の行動分類・機能分類コードリストが完成した。現段階では仮のリストとしている。今後、これらの断片化したコードリストが実態に即しているかを確認し、調査を行い「新行動・機能分類コード」とする。
以上のように、29年度は、コード化作業を中心に行った。今後はこれらのコードを用いて、時間の測定作業を行う必要がある。活動量計を用いて行う予定であるが、市販の活動量計をいかに利用するかの検討が必要である。
また、本研究の最終的な目標としている家事労働と生活の質に関しては、アマルティア・センのケイパビリティ・アプローチをいかに応用できるかを考慮する作業を文献研究により進めることができた。いくつかの方法があることがわかり、30年度以降の調査においては、食家事行動を中心に行うとこととし、対象者の限定や行動・機能分類コードと同時に、それらの行動・機能を行う上で必要な資源にも配慮する必要があることがわかった。今後は、調査対象者の限定や必要な資源の問題を調査に組み込みながら、家事労働と生活の質をいかに考慮することができるかを検討しなければならない。

Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

29年度の計画については、おおむね達成できている。

Strategy for Future Research Activity

29年度に作成した仮の行動・機能分類リストの検証を行う。同時に、ケイパビリティ・アプローチの応用の方法を探る。

Causes of Carryover

29年度は文献研究と行動・機能分類コードの作成を中心としたため、調査準備にかかる費用を30年度に残した。