2020 Fiscal Year Research-status Report
家政学と人間工学を融合した家事労働の解析ーケイパビリティ・アプローチを用いてー
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17K00751
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
斎藤 悦子 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 教授 (90298414)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
萬羽 郁子 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (20465470)
大竹 美登利 東京学芸大学, 教育学部, 名誉教授 (40073564)
西田 佳史 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 招聘研究員 (60357712)
高松 淳 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 准教授 (90510884)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 高齢者 / ICF / 食家事 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は前年度に収集した高齢者の食家事(味噌汁づくり)映像を国際生活機能分類(以下ICFと呼ぶ)コードに置き換えたデータ(既に作成済)と高齢者の食家事に関するインタビュー調査データの2つを照合させて、高齢者の食家事の特徴を考察した。ICFコードデータについては、前年度に提案された数種類の動作を組み合わせたパターン、身体の部位別の分析を進めた。 これらの分析を通じて、ICFコードでは食家事の動作をカバーすることができないことが判明した。本分析においてそれらは「新コード」として扱ったが、ICFコードはリハビリテーションの分野で発展しているものであり、食家事動作がICFコードに置き換えることができないことは、これらの動作をめぐるリハビリテーションの不足を示していると考える。高齢期の生活の質を左右する重要な要因である食家事という行動に対して、リハビリテーションや介護分野でのより多くの関心と深い洞察が持たれることが望まれる。 動作の組み合わせに関しては数多く観察された「握る」「持ち上げる」動作をとりあげた。これらの動作はインタビューにおいて困難な動作として見出される傾向があった。この「握る」動作についても、映像から多種多様な握り方があることがわかったため、ICFコードによる1種類のコードのみならず、握る物体との関係性などを踏まえたより詳細な検討が必要となる。 以上の結果は2020年8月の国際家政学会で報告予定であったが、コロナ禍により延期となったため、2020年度内に報告することはできなかった。同学会は2022年度に開催予定なので、再来年にさらに検討を深めた結果を発表することとした。また、2020年度に見いだされた新たな検討結果は2021年度の日本家政学会で報告する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナ感染症によって2020年8月の国際学会(アトランタ)での報告が延期となった。また、今年度は報告書を作成することを予定していたが、学会報告の延期もあり、報告書の作成を行うことができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
調査は全て終了している。今年度は最終年度として全体をまとめ、報告書を作成する。また、2021年度に開催される日本家政学会での報告を行う。
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Causes of Carryover |
2020年度開催予定であった国際学会が延期となったため、報告書作成ができなかった。2021年度に報告書を作成する。また、2020年度に見いだされた新たな結果は2021年度に日本家政学会で報告する。
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