2019 Fiscal Year Research-status Report
介護者のセルフケアプログラムの開発に関する実践的研究
Project/Area Number |
17K00767
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Research Institution | Hokusho University |
Principal Investigator |
風間 雅江 北翔大学, 教育文化学部, 教授 (60337095)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
先崎 章 東京福祉大学, 社会福祉学部, 教授 (20555057)
本間 美幸 北翔大学, 生涯スポーツ学部, 准教授 (30295943)
八巻 貴穂 北翔大学, 生涯スポーツ学部, 准教授 (30364293)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 介護職 / 介護家族 / セルフケア / 感情労働 / マインドフルネス / テキストマイニング / 高次脳機能障害 / ストレス反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
介護職および介護家族にとって有効なソーシャルサポートの方法を見出すため、特に心理面のサポートのニーズを詳細に調べ、介護者自らがセルフケアとして実践可能な方法を構築するために、今年度は以下の研究活動を行った。1.介護職が心理職に求める心理支援のあり方を明らかにするために、過年度実施したオンライン調査で得たデータを量的研究方法(階層的重回帰分析等)および質的研究方法(テキストマイニング)の双方によって分析した。量的研究では、介護職の心理的ストレス反応には年齢が負の影響を及ぼし若年層の介護職への心理支援の緊急性が示された。また、感情労働としての感情調整がストレス反応を高めるという結果が示され、リラクセーションやアンガーマネジメント等の心理教育の必要性が示された。質的研究では、介護職において関心が大きい個別心理療法についての自由記述をデータとして、テキストマインニング分析を行った結果から、傾聴、感情への対処、職場の人間関係、などの主要概念が抽出され、心理職による心理的支援において介護職が求める方向性が示された。2.介護家族を対象としたセルフケアプログラムの実践研究として、地域住民を対象としたセルフケア講座を継続して実施し、①自分の心の状態へのメタ認知、②心理学的ストレス理論ないし認知行動療法の観点にたつセルフケア方法の心理教育、③マインドフルネス・アプローチの体験的理解、④道具的サポートの一環として介護食の紹介、⑤グループディスカッション、といったプログラムを展開し事後アンケートによる検討を行った。3.高次脳機能障害のある当事者・家族会への継続的に参加し、当事者を亡くした介護家族へのグリーフ・ワークを含めた心理支援を行った。 4.高次脳機能障害の医学的知見を、リハビリテーション医学における診断・治療、社会的行動障害、全般性注意障害などに関する総説論文および書籍として公表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
セルフケアプログラムに参加した対象者に事後面接を行うことを計画していたが、新型コロナウィルス感染症による緊急事態により、実施が不可能となった。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウィルス感染症をめぐる緊急事態が収束した後に、介護家族および介護職への個別面談等によるセルフケアプログラムについての介入研究ないし聴き取り調査などを行う。あわせて、緊急事態における遠隔・非対面での心理的支援の方法について検討を行う。
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Causes of Carryover |
当初予定していたチェコスロヴァキアでの国際心理学会への発表参加を断念したため次年度使用額が発生した。新型コロナウィルス感染症による緊急事態をふまえた遠隔での心理支援の方法を検討するための環境整備および調査研究に次年度用いる予定である。
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Research Products
(7 results)