2022 Fiscal Year Research-status Report
介護者のセルフケアプログラムの開発に関する実践的研究
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17K00767
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Research Institution | Hokusho University |
Principal Investigator |
風間 雅江 北翔大学, 教育文化学部, 教授 (60337095)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
先崎 章 東京福祉大学, 社会福祉学部, 教授 (20555057)
本間 美幸 北翔大学, 生涯スポーツ学部, 准教授 (30295943) [Withdrawn]
八巻 貴穂 北翔大学, 生涯スポーツ学部, 准教授 (30364293)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 介護家族 / 介護職 / セルフケア / メンタルヘルス / 心理教育 / オンライン支援ツール / ケアハラスメント / マインドフルネス |
Outline of Annual Research Achievements |
1.介護家族を対象としたセルフケアに関するオンライン支援ツールとして、ストレス・マネジメントの心理教育を中心とするオンデマンドの動画コンテンツを作成、配信し、視聴者にアンケート調査を行い、結果を学会で発表した。学会発表後に検討を重ね、改訂版の介護家族向け動画コンテンツを新たに3編作成、配信した。視聴者に動画の構成要素ごとの有用性や精神的健康度の把握を含むアンケート調査を行いデータを収集した。 2.介護職を対象として、セルフケアおよび高齢者の自殺予防をテーマとした講演を行い、介護職のストレス・マネジメントにかかわる理論、ブリーフ・リラクセーション、マインドフルネス3分間呼吸空間法、セルフ・コンパッション、高齢者の自殺の現況、背景、特徴、予防、ゲートキーパーとしての役割、活動、具体的対応について心理教育の実践活動を行った。事後アンケートの結果をふまえて、介護職向けのセルフケアに関するオンデマンドの動画コンテンツを作成した。 3.日本介護クラフトユニオンが介護職を対象に実施したケア・ハラスメントの実態調査のデータ共有の許諾を得て、自由記述回答に対して訪問系サービスと通所・施設系サービスとに分けて質的分析を行い、学会で発表した。通所・施設系に比べて訪問系において介護職が利用者・家族から精神的暴力を受ける比率が高く、単独で利用者宅に出向く状況でハラスメントのリスクが高くなる可能性が示唆された。 4.リハビリテーション医学および精神医学の臨床で20年以上治療と支援にあたる外傷性脳損傷4事例を検討し家族の力および家族の支援を含め考察した論文を執筆した。高次脳機能障害セミナーにおいて、精神科医の立場から家族支援を行った臨床実践をテーマとした講演を行った。 5.本研究で得られた示唆をふまえて執筆した高齢者福祉および高次脳機能障害の章が掲載された、臨床心理学の専門書が刊行された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナ禍が長引き、対面での継続的な介入研究を実施することができず、オンライン支援ツールとしてオンデマンド動画コンテンツの作成、配信に研究計画を変更して実施せざるを得なかった。令和4年度中に再延長を申請し、令和5年度、研究を継続することが承認された。
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Strategy for Future Research Activity |
1.これまで作成した介護家族および介護職それぞれを対象としたオンデマンド動画コンテンツの改訂を重ね、より有用性の高いオンライン支援ツールを作成、配信し、視聴者へのアンケート調査によって有用性を確認する。 2.介護家族支援にかかわる書籍を執筆し、刊行する。
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Causes of Carryover |
コロナ禍により当初計画していた研究活動を実施することができず、研究期間の再延長を申請し承認された。当該年度の研究計画を変更せざるを得なかったため、次年度使用額が生じた。次年度使用可能な経費は、オンライン支援としての心理教育のための動画コンテンツ作成のための経費および、動画コンテンツ視聴の研究協力者への謝品、家族支援にかかわる書籍刊行経費として執行する予定である。
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Research Products
(11 results)