2017 Fiscal Year Research-status Report
細胞外dATPマクロファージに対する貪食・細胞障害性機序の解析
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17K00882
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
澤 智華 昭和大学, 医学部, 講師 (80422541)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂本 聡 東京工業大学, 生命理工学院, 助教 (30419270)
井上 由理子 昭和大学, 医学部, 講師 (50509958)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | マクロファージ / 細胞外核酸 / 酸化ストレス |
Outline of Annual Research Achievements |
近年炎症細胞や好中球などの壊死やネクローシスで放出された核酸の機能が注目されてきている。私はこれらの細胞外核酸が周辺の組織、細胞に与える影響を研究している。これまでに細胞外核酸が直接がん細胞に作用し細胞増殖抑制を示すこと、dATPのみマクロファージ様細胞株に作用してIL-8やTHBS1(Thrombospondin 1)など様々な因子の発現誘導する特異性を持つことを報告し、これら二つの経路を介して核酸は細胞増殖阻害を示す可能性を提唱した。本年度は細胞外核酸、特にdATPによる細胞障害性機序の解明を目的とし、解析を試みた。 マクロファージにおける核酸刺激は、Human Monocyte U937細胞株をPMA及びIFNg刺激した細胞に各dNTPを添加して検討した。これまではTHBS1のmRNAの発現のみ確認していたが、本年度はタンパク質の発現を確認した。その結果、THBS1は報告通りではあるが、多くが細胞外に分泌しており上清にてそのタンパク質がWestern Blottingにて確認できた。 動物実験に関しては11月に実験許可が得られたので来年度行う予定である。 さらにマクロファージ様細胞株において、dATPのみマクロファージ等に刺激し酸化ストレスを促進することも示した。そこで壊死した細胞や好中球から放出された核酸等が近傍のマクロファージに作用してTHBS1を細胞外に分泌している可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
年度後半は大学院生指導等で多忙となり本研究課題に予定より時間がとれなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度、本実験の動物実験の審査、許可が得られたため、動物実験に進む予定である。
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Causes of Carryover |
当該年度の3月ごろに購入した物品費用、さらに解剖学会が3月末開催だったため清算を行っていなかった。その未払い物品のために未使用額が生じているが、実質、本年度の予算は予定通り使用させていただいている。 支払いが可能となった際は速やかに支払い手続きをする。また平成30年度は主に褥瘡モデルマウスを用いた組織解析など計画通り実施する。
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