2019 Fiscal Year Research-status Report
細胞外dATPマクロファージに対する貪食・細胞障害性機序の解析
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17K00882
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
澤 智華 昭和大学, 医学部, 講師 (80422541)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂本 聡 東京工業大学, 生命理工学院, 助教 (30419270)
井上 由理子 昭和大学, 医学部, 講師 (50509958)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 細胞外核酸 / マクロファージ / 褥瘡 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、核酸成分による創傷治癒効果を解析することが目的である。 これまでに我々はin vitro実験で核酸成分がマクロファージを活性化し、IL-8, THBS1等を発現誘導することを明らかにした。IL-8は好中球やNK・T細胞の走化性を誘導し、初期免疫応答に重要な役割を担っている。THBS1(Thrombospondin 1)は血管新生抑制と酸化ストレスを誘導し、細胞増殖障害、抗腫瘍効果が見られる。さらに核酸は創傷・褥瘡に対し”ケロイドにならずに治癒する(三次治癒)効果”があると報告がある。 本研究ではこれらの予備データをから核酸を創傷部位に局所投与し、マクロファージを活性化し、過剰な血管新生を抑え、結合組織隆起(ケロイド)形成を抑制する効果を動物実験で解析を行っている。 昨年度は褥瘡モデルマウスの作成及び、その組織解析を行った。ここまでは計画通りに遂行できた。しかし核酸投与法に関して、試行錯誤が続いていた。マウスに毛があるため、貼り付けるドレッシングテープが安定的に装着できないためである。そのためへアレスマウスに変更して実験を行っている。用いているヘアレスマウスは免疫システムは正常ではある。 ヘアレスマウスを用いて行った結果、①(筋層と皮膚の間にコラーゲンスポンジを埋め込む)方法では安定的に装着できた。一方、②(褥瘡部位にコラーゲンスポンジ等をのせて、ドレッシングテープで固定する)方法では2日間ほどは装着できたが、次第にはがれてしまった。ヘアレスマウスではあるが、わずかに生えている細い毛がテープ粘着を阻害していることと、マウスが違和感を感じてはがしてしまうことが理由と考えられる。よって、本年度は①の方法のみで、核酸投与期間等を検討していく予定である。褥瘡部位の組織学観察はHE染色、マッソン染色、免疫染色で行っている。褥瘡部位の線維化、リンパ球浸潤は確認できている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
核酸投与法に関して、試行錯誤が続いていたため。
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Strategy for Future Research Activity |
核酸投与法に関しては目途がついたため、遂行するのみである。年度初めからしばらく社会情勢の影響のため動物実験ができなく、また通年とは異なる教育業務が増えて研究時間に制限があったが、これから分担者と共に取り戻す予定である。
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Causes of Carryover |
動物実験計画が遅れてしまったため、次年度使用が生じた。主に動物と組織解析に必要な試薬等を購入する。
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Research Products
(1 results)