2020 Fiscal Year Research-status Report
算数授業における「深い学び」の実現に向けた現職教員研修プログラムの開発
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17K00956
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
中野 博之 弘前大学, 教育学部, 教授 (30400120)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清野 辰彦 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (00550740)
早川 健 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (40585387)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 深い学び / 統合的な考え / 現職教員研修 |
Outline of Annual Research Achievements |
新型コロナ禍であったため,実践予定であった研修会の大部分が中止せざるを得ない状況であった。オンラインによる研修の可能性も考えたが青森県内の小学校教員のネット環境等の状況からオンライン研修は断念せざるを得なかった。 そうした中で,一時的に青森県内の新型コロナの感染状況が収まっていた6月,8月,10月に対面による研修会を3回(各3時間程度)開催することができた。 全ての研修会において,参加した教師自身が数学の問題を考える経験を通して,提示されたいくつかの考えや既習事項と統合するすることによって深い学びが達成されることを理解できるようにプログラムを設定した。 6月に行った研修会では,まず,研修の主催者が算数の授業を行い,参加者は子供の学びを見取らせた上で,参加自身に数学の問題を課し共同で解決させ,見取った子供と自身の解決での経験を重ね合わせる研修プログラムを設定した。8月に行った研修会では前半に「深い学び」についての講義を行い,その後,問題を課し共同で解決させ,前半の講義内容と参加者自身の経験を重ね合わせるように研修プログラムを設定した。10月は前半講義をしたあと,参加者を2グループに分け,片方のグループに数学の問題を課し,もう片方のグループは問題を解決している様子を観察させる(途中で観察者と被観察者を交代する),深い学びが参加者自身に生起した経験と他者に生起した深い学びを見取った事実を重ね合わせさせるという研修プログラムを設定した。どの実践においても,参加者自身に統合的に考えることを経験させることが重要であることが明らかになった。なお,実践の課題としては,研修会で課した問題について,算数の授業で子供に課す問題であると誤解されてしまうことがあったので,算数の授業で子供に課す問題ではないことを明確にする必要があった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナ禍のもと,研修会の実践が3回しかできず,1年間の大部分が研究室内で行える研修会で提示する問題の開発や「数学的な見方考え方」を育成する授業の在り方の考察に終始してしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度,開発した問題と,3回ではあったが実践した研修プログラムを実践し,その効果と課題を省察し,研究の最終的な成果をまとめていく。
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染拡大を受け,研修会が3回しか実践できなかったことから,共同研究者との会議開催できなかったこと,国内での移動ができないことから資料収集のための国内旅行ができなかったことから,20年度は図書の購入のみの支出となってしまった。21年度は,研修会の実践と共に共同研究者との会議,資料収集のための国内旅行を計画している。
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