2019 Fiscal Year Research-status Report
カリキュラムマネジメントの基礎を育成するための教員養成段階のカリキュラム等の開発
Project/Area Number |
17K01094
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Research Institution | Meisei University |
Principal Investigator |
吉冨 芳正 明星大学, 教育学部, 教授 (60550845)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村川 雅弘 甲南女子大学, 人間科学部, 教授 (50167681)
田村 知子 大阪教育大学, 連合教職実践研究科, 教授 (90435107)
石塚 等 横浜国立大学, 大学院教育学研究科, 教授 (90794214)
倉見 昇一 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 教授 (10771462)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | カリキュラムマネジメント / 教員養成段階 / カリキュラム開発 / 教材開発 / 教育課程論テキスト |
Outline of Annual Research Achievements |
これからの初等中等教育では、子どもたちがよりよい人生や社会を自ら創造できる資質・能力の育成を目指す必要があり、各学校はカリキュラムマネジメントを推進し教育の質を向上させることが求められる。そのためには、教員一人一人がカリキュラムマネジメントに関する力量を高めることが重要であり、教員養成段階でも学生がカリキュラムマネジメントができる力の基礎を身に付けることが期待される。そこで、本研究では、大学の教員養成段階においてカリキュラムマネジメントができる力の基礎を確実に育成するためのカリキュラム、指導方法や教材の開発を行うことを目的としている。 本研究では、「教育課程の意義及び編成の方法(カリキュラム・マネジメントを含む。)」に関する科目(=「教育課程論」)のカリキュラム、学生の主体的・対話的で深い学びを効果的に促す指導方法、授業で用いる資料について検討し開発を進めてきた。 2019年度においては、特に「教育課程論」の主たる教材としてテキストの開発に力を注いだ。テキストは全20講で構成し、学生が教員となって学校組織の一員としてカリキュラムマネジメントに参画するとともに学級担任としてカリキュラムマネジメントができるようにすることに配慮して内容の選択・配列を行った。また、学生が主体的に考えながら学習するための本質的な問いとそれを支える作業課題を明示するなどの工夫を加えた。カリキュラムマネジメントの考え方や方法と教育課程全般の知識を関係付けながら学ぶことができる点では、教職課程での活用に加えて、教員の現職研修資料としても活用できるテキストとなった。テキストは、2020年度から使用できるよう刊行した。 これに加え、カリキュラム開発の考え方、指導方法の工夫の着眼点、開発したテキスト以外の教材等も集録した報告書を作成し、本研究の成果が広く活用されるよう関係者に提供できるようにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
およそ当初の研究計画のとおり研究は進捗した。研究の成果として「教育課程論」のテキストを編集するとともに、カリキュラム開発の考え方、指導方法の工夫の着眼点、開発したテキスト以外の教材等も集録した報告書を作成することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
大学の教員養成段階においてカリキュラムマネジメントができる力の基礎を育成するためのカリキュラム、指導方法や教材の開発を行うという目的は、これまでの研究によりおよそ達成することはできているが、開発したカリキュラムや完成したテキスト等を授業で用いて、更に効果的な活用方法や改善点について追究する。また、これまでに収集したデータの分析を行う。 さらに、新型コロナウィルス対策から学校の休校期間が長期化するといった、通常ではない事態への対応に、カリキュラムマネジメントの考え方や方法をどのように生かし得るのかという視点を教員養成課程の授業にどのように取り入れ得るのかについても検討する。
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Causes of Carryover |
研究に必要な物品についてできるだけ手持ちのものを活用したこと、研究打ち合わせについて研究代表者及び研究分担者が共に参加した学会の機会などを活用したことから次年度使用額が生じた。 次年度においては、本研究の目的の下、本年度までに開発したカリキュラムや教材等を実際に授業で活用し更なる改善を図るための研究、これまでに収集したデータの分析、新たな事態への柔軟な対応へのカリキュラムマネジメントの考え方や方法の活用についての研究を行う予定である。次年度使用額は、そのために必要な物品の購入、研究に必要な資料作成のための経費、研究打ち合わせのための旅費に充てる予定である。
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