2018 Fiscal Year Research-status Report
アクティブ・ラーニング施設の運用を通した21世紀型スキル教育プログラムの開発
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17K01136
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
近藤 秀樹 九州工業大学, 学習教育センター, 助教 (90517088)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 雅之 星槎大学, 教育実践研究科, 准教授 (10610206)
大崎 理乃 産業技術大学院大学, 産業技術研究科, 助教 (50630802)
遠山 紗矢香 静岡大学, 情報学部, 助教 (80749664)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 集団的認知責任 / 社会ネットワーク分析 / 媒介中心性 / 電子掲示板 / KBDeX |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度は3年の研究計画の2年目であった.アクティブ・ラーニング向け施設の運営業務に埋め込まれた教育プログラムの開発に向け,過去の運営チームの活動状況の分析を行った.研究のフィールドとなっているアクティブ・ラーニング向け施設では,運営チームの業務上のやりとりとして2万件以上の記事が蓄積されている.この記事のそれぞれの返信関係から記事の著者同士の社会ネットワークを抽出し,媒介中心性について分析した.この結果,教職員スタッフが学生スタッフ間をつなぎ,期が進む中でより多くこの仕事をシステム上で実施していたことが示唆された.一方でこのような媒介する動きをスタッフ育成の視点で考えれば,教職員ではなく学生ができるようにして行くことでより良い組織になって行くことが考えられる.実際に,教職員スタッフの媒介中心性よりも学生スタッフの媒介中心性の方が高い時期も抽出された.電子掲示板における相互作用に対して議論過程可視化システムを活用し可視化することで,各スタッフの集団的認知責任の様子を分析可能であることが示唆された.この結果を受け,構成員の媒介中心性をリアルタイムで本人に通知することにより,活動のフィードバックを行い,自身の活動の改善につながるような支援を提供するシステムの提案を行った.研究者などが学習や業務のプロセスを事後的に評価するためでなく,構成員がコミュニティ全体から見た自身の位置を把握することにより,構成員各自が自発的に集団的認知責任の向上を検討可能となることを狙うものである.短期間の試用において,リアルタイムのフィードバック機能が構成員の活動を変えうることが示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度に分析を行った結果を活用し,さらに社会ネットワーク分析に発展させることで,集団的認知責任の向上に関する支援システム開発に関する機能要件を明確にすることができた.試作したシステムの完成度が期待を上回っているため,そのまま実運用に投入することができた.実験的な機能の試作・試用プラットフォームとしても機能しており,これにより,昨年度の遅れを解消した.
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Strategy for Future Research Activity |
短期間の試用において支援システムの有効性が示唆されたため,長期的な業務の場面での運用実績を蓄積し,評価の精度を高める.また,媒介中心性を核とした,より精度の高い評価指標の検討と,その実装を行い,考察を深める.
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Causes of Carryover |
当該年度は試作・試用プラットフォームとしても機能する検証システム開発にエフォートを割り当てたため,実証的な実験やそれに伴う分析・検討を次年度に実施する.
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