2018 Fiscal Year Research-status Report
Development of mathematical solvers and a security planning system for security problems
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17K01285
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Research Institution | 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群) |
Principal Investigator |
宝崎 隆祐 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), 電気情報学群, 教授 (20546048)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大山 達雄 政策研究大学院大学, 政策研究科, 名誉教授 (30134323)
諸星 穂積 政策研究大学院大学, 政策研究科, 教授 (10272387)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | オペレーションズ・リサーチ / ゲーム理論 / 数理計画法 |
Outline of Annual Research Achievements |
1. 研究の目的の達成度:全体の研究目的である「限られた警備資源下での効果的な警備計画の立案」に対し、平成30年度は非ゼロ和警備ゲームによるモデリングと解法を提案することを主たる目的としたが、平成29年度に実施したゼロ和ゲームによるモデル化の拡張により容易に達成できた。むしろ、周辺手法に関する研究がより進展したといえる。これらの内容は、論文9編、2件の招待講演及び5件の国際会議を含む学会発表12件及び著書1編により公表した。 2. 研究成果の具体的内容 (1) 理論構築に関する成果として次を実施した。(ア) 警備問題に対する非ゼロ和の警備ゲームによるモデリングとその解法の提案について学会発表した。現在,その成果を論文誌投稿原稿として準備中である。学会発表には1件の招待講演が含まれており、研究成果の普及に努力した。その他の要素技術として、次の内容に関する論文公刊及び学会発表を行った。(イ) 警備側と侵入者側との衝突による損耗ゲームに関する研究、(ウ) 侵入者その他の対象物の捜索・発見のための捜索資源の有効活用に関する研究、(エ) 対象物発見のための無人航空機の活用に関する研究、(オ) 警備システム最適化のための最適化技法に関する研究、(カ) 鉄道等の大量輸送システムの維持管理とリスク分析に関する研究、(キ) 自然災害によるリスク分析に関する研究 (2) 警備に関する上記の理論,特に(ア),(イ)及び(ウ)項に関する解法アルゴリズムを作成し、計算機上で、最適警備配備計画や最適捜索資源配分計画を立案するシステム開発を行った。 (3) 上記ツールを石垣空港の警備に適用した数値実験を実施し、合理的な警備計画が出力されることを確認した。 (4) 日本オペレーションズ・リサーチ学会隷下の研究部会において、警備問題や危機管理に関する研究集会を9回開催し、同じ研究分野の研究者間の意見交換を促進した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の目的であった非ゼロ和ゲームによる警備問題のモデル化と解法の提案が完了し、その解法アルゴリズムを使った最適警備配備計画立案システムを計算機上で作成できた。さらに、警備問題解決に必要なその他の周辺要素技術において多数の成果があがった。また、研究集会実施により関係する研究者間の意見交換を促進できたから。
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Strategy for Future Research Activity |
令和1年度ではこれまでの成果を総括し、ゼロ和の警備ゲーム及び非ゼロ和の警備ゲームの解法アルゴリズムを搭載したソルバーを計算機上で実現し、警備計画を立案・呈示するシステムを構築する。また、現実の施設と実データを想定した現実的な警備シミュレーションを実施して、提案した警備システムの有効性を検証するとともに、効果的な警備に関する分析を行う。さらに、可能ならば、2020年開催の東京オリンピックを事例研究として取り上げる。
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Causes of Carryover |
今年度は理論研究に重きを置き、問題に対するモデル作りと最適解の解法アルゴリズムの開発を行った。したがって、初年度計画していたシミュレーション・ソフトの購入を延期していたため、物品費の項目で差額が発生した。次年度の最終年度にはこのソフトウエアを購入し、人間の配置や警備・危機管理担当者の配備、事案発生後の人間の応答といった警備環境作りをこのソフトを使用することでより現実的なものとし、これまで開発してきた理論や解法の効果の検証を行う予定である。
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