2018 Fiscal Year Research-status Report
Development of Emergency Rescue Evacuation Support System Based on Auto Detection of Local Disaster by Cooperating with People
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17K01309
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
和田 友孝 関西大学, システム理工学部, 准教授 (20314560)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大月 一弘 神戸大学, 国際文化学研究科, 教授 (10185324)
榎原 博之 関西大学, システム理工学部, 教授 (50194014)
藤本 まなと 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 助教 (80758516)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 避難支援 / 局所災害 / アドホック通信 / 行動分析 / 災害自動検出 |
Outline of Annual Research Achievements |
局所災害の突発的な発生を迅速に検知し、リアルタイム性の高い災害情報を被災者に提供することを目的として、緊急救命避難支援システム(ERESS)の研究開発を行ってきた。 本年度は、以下の3つの課題について検討を行った。 課題4)緊急救命避難支援のための経路探索については、iBeacon のエリア情報と加速度情報を用いた通路混雑状況を考慮した避難誘導方式を提案した。提案方式ではERESS端末に搭載された加速度センサを用いることにより、端末保持者の現在の状態の判定を行う。エリア内に存在する全ての端末保持者の現在の状態の情報を集めることにより、混雑状況を把握する。把握した混雑状況を周囲の端末と共有することによって、各エリアの混雑状況を把握することができる。これにより通路の混雑状況に応じて避難経路を柔軟に変更することができ、適切な避難誘導が可能となる。実環境における避難誘導実験を行った結果、混雑判定精度は90%以上を達成し、避難経路を分散させることによって避難完了時間も短縮することができることを確かめた。 課題5)緊急/平常時の端末におけるユーザインタフェースについては、端末の画面において直感的でわかりやすい地図表示を行い、現在居るエリアを表示できるようにした。その上で避難方向を示す矢印表示を行うとともに、音声と振動による避難誘導も行えるようにした。親端末においては、接続している子端末の接続状況を表示できるようにして、通信ネットワーク構成を把握できるようにした。実験により、避難誘導に効果があることがわかった。 課題6)広域ネットワーク支援については、災害時に既存の情報通信インフラが機能しなくなった場合を想定し、車両を無線通信基地局として携帯電話ネットワークへ接続してネットワーク回復を行う方法を検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
課題4)緊急救命避難支援のための経路探索については、通路混雑状況を考慮した避難誘導方式を提案し、災害模擬実験により避難経路を分散させることによって避難完了時間を短縮できることを明らかにできたため、順調に進んでいるといえる。 課題5)緊急/平常時の端末におけるユーザインタフェースについては、端末の画面において直感的でわかりやすい地図表示とともに現在のエリアを表示できるようにした。その上で避難方向を示す矢印表示を行うとともに、音声と振動による避難誘導も行えるようにしたため、順調に進んでいるといえる。 課題6)広域ネットワーク支援については、車両を無線通信基地局として携帯電話ネットワークへ接続してネットワーク回復を行う方法を検討し、順調に進んでいるといえるが、実際の実験は行っていないため、次年度に検証する予定である。 以上、2年目の予定をほぼ行うことができたと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの2年間で、課題1から課題6をほぼ順調に進めることができたため、今後は本研究の主要到達点であるERESS機能を搭載したスマートフォンの実装を進めていく。各課題の機能を統合させてシステム構築を行う。災害避難シミュレーション実験を行うことにより、ERESS端末の完成度を高めるように効率的に進めていく。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、研究計画がほぼ順調に進んだため、当初計画していた携帯端末などの物品費、旅費、人件費、その他の経費が少なくてすんだためである。 本年度使用計画は、実験に使用する携帯端末を購入し、成果発表の旅費を多く使用する予定である。また、プログラム作成やデータ整理を行うための人件費も多く使用する予定である。
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Research Products
(14 results)