2017 Fiscal Year Research-status Report
脆弱性骨折患者に対する至適包括的管理の基盤確立のための臨床コホート研究
Project/Area Number |
17K01472
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
緒方 直史 帝京大学, 医学部, 教授 (10361495)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡部 欣忍 帝京大学, 医学部, 准教授 (00295651)
河野 博隆 帝京大学, 医学部, 教授 (20345218)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | コホート研究 / 脆弱性骨折 |
Outline of Annual Research Achievements |
本院で手術を要した高齢者の脆弱性骨折全症例を対象に、機能予後や生命予後についての横断的・縦断的な大規模前向きコホート研究である。対象者は術後2年までを経過観察期間とし、Clinical Research Coordinator(CRC)により退院後も引き続き外来、又は紹介先医療機関にて必要な治療が行われるように手配を行う。CRCが患者あるいはその後見人に連絡を取り、術後6カ月、1年、2年の時点に包括的な経過観察項目の検査を当院にて行う。特に術後1年、2年では、リハビリ科により詳細なADLの評価とリハビリ指導を行う目的で、必要であれば短期間の経過観察入院を行う。3年間でコホート研究でのデータの蓄積を目指し、同時に臨床研究センターにて解析を行い、症例数が必要数に達した時点で統計学的評価を行っていく。 平成29年度は、当院で脆弱性骨折に対する手術を受けた全症例を対象とし、臨床研究センターにて登録を開始することを目的とし、そのシステムを構築した。当院外傷センターを受診した患者はその場で手術が必要な脆弱性骨折患者であるかの判定を行い、CRCにより本研究へのエントリーがなされるが、その際必要な検査や計測を入力するためのシステムを帝京臨床研究センター(TARC)と検証の上、構築してきた。評価時期と項目については大きな変更は無く、当初の計画通りの内容で行った。 システムの試用も既に行い、欠落の検査項目なども追加し、平成30年度よりの運用が開始できることとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
コホート研究を円滑に行うための、システムを構築でき、平成30年度より調査開始可能となり、実際のエントリーを開始している(現在まで20名登録済み)。 調査項目には当初の計画通りで、以下の項目を決定した ① 問診;患者基本情報(生年月日、性別、受傷日、既往歴、併存疾患、服用薬物(ステロイド使用歴)、居住環境、飲酒、喫煙および喫煙歴、最終月経年齢・総出産回数、骨粗鬆症の既往、先行する骨折の有無、身長、体重、骨折部位)、受傷前のADL (FIM)、受傷後の痛み(VAS)、手術までの待機時間、術式、退院後の行先(病院・療養型・自宅)、使用した抗生剤の種類のデータを回収。 ② 各種検査;認知症検査(MMSE)、うつ検査(PHQ-9)、残存歯本数カウント、嚥下機能評価(反復唾液嚥下テスト)、筋力(握力)、ABI/PWV、血算・生化学的血液検査、保存用凍結血清 (5ml)、画像検査(単純レントゲン、骨密度(腰椎、両大腿骨頸部)、細菌検査(便培養(一部凍結保存)、咽頭培養、唾液凍結保存)。 ③ リハビリ評価;ADL評価(FIM)、体組成計測、下肢筋力測定(ロコモスキャン、ミュータス)、活動度評価(加速度計)、歩行能評価(下肢荷重計、三次元動作分析システム)、片脚立位時間、TUG (touch up and go) test、6分間歩行。 CRCの雇用も既に開始し、平成30年度より運用を開始している
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度より登録を開始しており、当初の予定通り手術を要してた脆弱性骨折患者年間150例を達成できる頻度で登録を開始している(月15例以上)。 今後追跡期間2年間も含め、フォローを行い、データの蓄積を行っていく予定であり、当初の予定より多いケーススタディが可能となる見込みである。
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Causes of Carryover |
患者登録が平成30年度となったことから、学会発表が次年度以降になり、また必要となる機器の購入が当該年度には必要で無かったため。
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