2017 Fiscal Year Research-status Report
ハイブリッド方式を利用した早期リハビリテーションプログラムの構築と効果検証
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17K01490
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Research Institution | Hyogo University of Health Sciences |
Principal Investigator |
玉木 彰 兵庫医療大学, リハビリテーション学部, 教授 (70269851)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 俊朗 兵庫医療大学, リハビリテーション学部, 講師 (30709340)
森沢 知之 兵庫医療大学, リハビリテーション学部, 講師 (80552512)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 骨格筋電気刺激 / 臥位エルゴメーター / 筋機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、集中治療室(ICU)入室中の患者への応用を想定し、ベッド上でのペダリング運動と電気刺激を同時に実施するハイブリッド方式による早期リハビリテーションプログラムを構築すること、そしてハイブリッド方式による早期運動療法が身体機能の改善および、医療費の削減に及ぼす効果を明らかにすることである。 そこで第一段階として平成29年度は、骨格筋電気刺激と臥位でのエルゴメーター駆動の組み合わせであるハイブリッド方式による運動介入が、筋機能や呼吸循環代謝応答にどのような影響があるかについて、健常成人を対象とした基礎的研究を実施した。 まず健常成人男性15名を対象に、20分間の骨格筋電気刺激(EMS)と臥位エルゴメーターとEMSを同時に行うハイブリッド運動(F-EMS)を20分間実施した場合、それぞれ1回の介入による筋機能に与える即時的変化について、筋厚、筋輝度、筋硬度を指標に検討した。その結果、EMSもF-EMS実施後には、通常行われる筋力トレーニングと同等の筋腫脹が認められ、筋輝度や筋硬度は上昇を示した。これらの結果から、EMS、F-EMSの継続は筋力トレーニング法として有用である可能性が示唆された。 次に健常成人男性18名を対象に、20分間の臥位でのEMS、F-EMSが呼吸循環代謝応答に与える影響について、酸素摂取量、換気量、呼吸数、血圧、血中乳酸値などの値から検討した。その結果、F-EMSはEMSに比べて換気量の増加などは認められるものの、心拍数や血圧等を含めた呼吸循環代謝応答に与える影響はごく僅かであり、安全に実施できることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度は、主にハイブリッド方式を用いた運動の筋機能に与える即時的変化と呼吸循環代謝反応への影響についての研究を実施した。研究に必要な骨格筋電気刺激装置を購入し、それらを使用したハイブリッド方式を用いた運動療法の可能性を確認することができた。また得られた結果は、ICU患者に実施する早期リハビリテーションプログラムを構築する際の基礎データになり得るものであり、次に実施していく研究に繋がるものと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、平成29年度に実施した内容を更に臨床応用するための研究を実施していく予定である。具体的には、平成30年度より保険点数として算定できるようになった「早期離床・リハビリテーション加算」を想定し、ハイブリッド方式による2週間の運動療法が筋機能に与える効果に関する基礎的研究を、健常成人を対象として実施する予定である。
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Causes of Carryover |
平成29年度には主にハイブリッド方式を利用した運動療法に関する基礎的研究を実施したため、それらに必要な電気刺激装置、筋力測定装置(ハンドヘルドダイナモメーター)などの備品および、研究に必要な消耗品を購入し、さらに研究に関する情報収集および成果発表のための旅費等を支出した。しかし筋機能解析に使用する予定のソフトをまだ購入できておらず、次年度使用が生じた。 平成30年度はそれらを使用した解析を実施予定であり、現在解析に適したソフトを選定している段階である。今後は研究で必要となる消耗品費の支出および成果発表のための旅費等を計画的に支出する予定である。
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