2017 Fiscal Year Research-status Report
Effects of BDNF and pulmonary rehabilitation on reconstruction of respiratory neural circuits after spinal cord injury
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17K01516
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Research Institution | Ibaraki Prefectural University of Health Science |
Principal Investigator |
冨田 和秀 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 教授 (00389793)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀬高 裕佳子 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 助教 (20404767)
佐々木 誠一 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 教授 (50153987)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 脊髄半切 / 延髄呼吸中枢 / 胸髄軸索投射様式 / 電気生理学的解析 / 微小電流刺激法 / 外肋間神経 / 軸索分布 / 軸索側枝 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、1)脊髄半切慢性動物の作成と2)延髄呼吸中枢の吸息性ニューロンの胸髄軸索投射様式の電気生理学的解析に取り組んだ。 1) 脊髄半切慢性動物の作成:麻酔下にて脊髄正中から右側の脊椎背部を切除し脊髄の背面を露出させた。硬膜を切開し脊髄正中部より右部を半切した。半切後、脊髄からの出血がなく、心電図が安定するのを確かめて硬膜を縫合し頸部背側部の皮膚を閉じた。手術後1ヶ月間、毎日経過観察をした。半切手術後1か月間、自由行動をさせ脊髄半切による運動障害の回復程度を観察した。術後3か月間問題なく飼育ができ、脊髄半切慢性動物を安定して作成することができるようになった。 2)延髄呼吸中枢の吸息性ニューロンの胸髄軸索投射様式の電気生理学的解析:動物は麻酔・人工呼吸下で第10胸椎から第2腰椎の椎弓切除を行った。ガラス管微小電極により延髄腹側呼吸中枢の単一吸息性ニューロンの細胞外記録を行った。外肋間神経運動核での軸索投射を調べるために、タングステン微小刺激電極を用いて第10胸椎から第2腰椎にある肋間神経運動核を200μAを上限として吻尾方向に1mm間隔で背側から腹側方向に刺激電極を刺入し、微小電流刺激を実施した。誘発される逆行性スパイクの潜時、刺激電流の強さを系統的に調べ、正常な肋間神経核における軸索の分布を解析した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
延髄呼吸中枢の吸息性ニューロンの胸髄軸索投射様式の電気生理学的解析の確立に時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
脊髄半切による呼吸運動障害動物において、延髄からの興奮性下行路の可塑的変化を電気生理学的手法で解析する(研究1)。その後、肋間筋機能の回復を詳細に解明するために、脊髄半切3か月後、両側肋間筋から針電極で運動単位を記録し、CO2負荷・吸気抵抗負荷に対する換気応答の発射様式やα-γ連関の回復についても調べる(研究1)。 最終年度、BDNFと呼吸リハビリテーションの併用効果を調べるために、脊髄半切モデルにおいてBDNF投与群とBDNF呼吸リハ併用群、コントロール群に分けて治療介入する。脊髄半切1・3ヵ月後に、研究1と2で得られた解析方法を用いて胸郭呼吸運動回復の併用効果を検証する。
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Causes of Carryover |
自家繁殖の実験動物を主に使用したため、当初計画よりも少ない費用で実施できた。次年度は実験項目の増加に伴い実験動物の購入費用・飼育管理費用等に充てる予定である。
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