2018 Fiscal Year Research-status Report
Effects of cognitive behavioral therapy based approach to promote behavioral change in rehabilitation patients
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17K01519
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
大嶋 伸雄 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 教授 (30315709)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中本 久之 帝京平成大学, 健康メディカル学部, 助教 (20748496)
下岡 隆之 帝京平成大学, 健康メディカル学部, 講師 (30581996)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 認知行動療法 / カウンセリング / リハビリテーション / 作業療法 / 理学療法 / ADL自己評価 / 自助クライエント |
Outline of Annual Research Achievements |
〔関連研究・学会発表〕 (1)高次脳機能障害における認知作業療法 のマネジメント戦略.大嶋 伸雄:日本認知作業療法研究会・第4回 学術大会 基調講演3 2018年6月10日.(2)認知行動療法のリハビリテーション への応用と今後の発展性について.大嶋 伸雄:研究会・設立記念 2018年 リハビリテーションのための認知行動療法研修会 2018年4月24日 :その他,18演題。 【講演】 1)宮崎県作業療法士会主催「認知作業療法研修会」:宮崎大学医学部.2018.05.12.2)昭和大学医学部付属病院研修会「認知作業療法のフレームワーク」:昭和大学医学部付属病院.2018.05.14.3)医療生協ふれあい相互病院・院内研修会「セラピストのための認知行動療法の応用」ふれあい相互病院.2018.08.29.4)日本リハビリテーション・カウンセリング研究会・かわな病院共催「カウンセリングと包括的マネジメントでリハビリテーション効果を高める」国際医学技術専門学校(名古屋市).2018.09.30.5)循環器臨床作業療法研究会主催「心不全の作業療法:行動変容のための作業療法カウンセリング」秋葉原UDX(東京).2018.10.07.6)第6回宮古島神経科学カンファレンス・教育講演「脳損傷者に対し心理的アプローチと身体運動を同時に用いるリハ効果について」ブリーズベイ・マリーナ.2018.10.26.7)専門リハビリテーション研究会主催「平成30年度地域リハ研究部会研修会」東都リハビリテーション学院(東京).2019.02.03.8)栃木県作業療法士会学術部主催・平成30年度地域・全領域講習会「認知作業療法の基礎と実践」上三川病院(栃木県上三川町).2019.02.09.9)大阪府作業療法士会学術局教育部身体領域講習会「対象者の力を引き出す作業療法」:大阪医療福祉専門学校(大阪).2019.02.24
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成30年度は,各研究協力病院においてCBTを基盤とするカウンセリングを主体にした作業療法を実施した。その結果,研究対象群(20症例)と比較対照群(20症例)に対する介入を行い,その結果に対する分析作業を開始した。分析の結果,認知行動療法を基盤としたカウンセリングによる作業療法を実施した脳卒中患者(研究対象群)では,約3ヶ月間の訓練により,ADLが有意に改善した。また,比較対照群との関係から,MMSEやHDS-Rなどにおける知的・認知機能における検査得点でも有意な改善傾向が見られた。これらを総合的にまとめると,まず,セラピストとの対話・カウンセリングを通じて,研究対象患者の「思考」が促通され,患者自身による運動機能と動作,そして外からの刺激・内的感覚に対する「気づき」が生じる。その結果,患者による自分の身体への様々な「気づき」がそのままADLにおける動作改善に繋がり汎化することができた,という事実が明らかになった。本研究成果については,平成31年(令和元年)5月と9月の全国学会にて発表を行う予定である。さらに,これまでの研究成果を統合した研究論文を年度内に「作業療法」または「総合リハビリテーション」誌へ投稿する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成31年度(令和元年)の研究計画として,以下の項目を予定している。 《臨床研究・第3段階の実施》5~8月:研究施設ごとの介入結果の総合分析を開始する。9・10月:データの統合~総合的な分析。 11月:総合分析・意見交換会の実施:総合分析の結果を受けて,各研究協力者,実施者との意見交換を行い,最終的な総合結果として報告書に反映させる。12月:研究成果報告書の作成。 上記の期間内で,様々な関連学会への参加・研究発表,および,国内外の学術誌への論文投稿を行う。
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Causes of Carryover |
人件費および物品費(おもにPC)が予定通り使用されていない理由では,当初予定していた研究協力病院のうち実際に研究が稼働している施設がまだ,1カ所であることに起因している。よって,セラピストへの認知行動療法研修の実施,研究による予算の消化に影響がでている。一方,旅費・交通費に関連した効果として,全国各地の病院・施設への研究案内研修会は順調に推移しており,当初予定していなかった研究協力病院以外の病院で,多くのデータが順調に蓄積されていることから,研究の対象領域は拡大し,実験介入研究としては信頼性・妥当性の向上に寄与している。よって今後は,物品費および人件費の残額も予定通りに消化され,最終的には適切な収支決算となる事が予想されている。
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