2017 Fiscal Year Research-status Report
The role of senior athletes and environmental challenges in lifelong sport participating society
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17K01665
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
仲澤 眞 筑波大学, 体育系, 准教授 (10188930)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 政幸 法政大学, スポーツ健康学部, 准教授 (60557445)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | スポーツマスターズ / ロールモデル / 組織間関係 / 共有価値の創造 |
Outline of Annual Research Achievements |
事例とした日本スポーツマスターズ兵庫大会の参加者を対象としたアンケート調査(平成29年9月)を実施し、2,061票(回収率:23.0%)の有効回収を得た。分析の結果、日本スポーツマスターズは、競技志向が強い大会、競技レベルの高い大会、参加者の参加満足度の高い大会、リピーター率の高い大会であるとする結果を得た。参加料の評価、不満点などは、競技により回答の傾向が大きく異なっていた。また、マスターズ参加者のスポーツボランティア参加率が顕著に高い傾向が確認された。 日本スポーツマスターズ兵庫大会の参加者を対象に大会運営の改善への意見を求めたデジタルオピニオンボックスを大会中及び大会後3週間にわたって運営し、98の自由記述による意見・提案・改善要求等の情報を得た。そこに寄せられたものは、宿泊先や宿泊費、物品販売、会場運営、競技運営・審判などへのものが主な内容であった。 日本スポーツマスターズ兵庫大会の13競技の内、8競技の主管競技団体を対象にヒアリング調査を実施した。参加者数の多い大会を開催できてよかったとする団体が多く、競技運営のノウハウを蓄積し、今後の別の大会への活用が可能となる、など肯定的な評価がみられた。一方、マスターズ開催の影響・効果については、参加者間の交流、地域や地域住民との交流の活性化が課題とされていた。会場設営や協賛企業との関係、主管競技団体による広告協賛の確保などに課題があった。 日本スポーツマスターズ兵庫大会開催自治体を対象にヒアリング調査を実施した。マスターズ開催について概ね肯定的な評価がされていた一方、大会実行委員会からの財源だけでは有効な効果を上げることが難しいこと、日本体育協会が今後目指す大会の方向性を実現するためには地域との接点の拡大が必要であること、日本体育協会・自治体・競技団体・会場設営業者間との組織間関係の強化が必要であることが伝えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マスターズアスリート人口を推計する研究計画に関して、二次利用を予定していたデータに不備があることがわかり、一部、遅延している以外は、量的データおよび質的データの収集は計画どおりに進んでいる。 目下、平成29年度に収集したデータにより、論文作成の作業を進めている。なかでも、マスターズアスリートのロールモデルとしての機能については、スポーツボランティアの活動状況から含意のある調査結果が得られており、その有効な公開方法について、研究分担者と研究協議を続けているところである。 また、国内競技団体におけるマスターズアスリートの活用方策についても、価値ある情報を競技団体を対象としたヒアリング調査で得ている。平成29年度の成果物としては、この二つが主要なものになると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度においては、マスターズアスリートの現状と課題についての論文作成、および国内統括競技団体におけるマスターズアスリートの活用方策についての論文作成を行う。 新たなデータとしては、日本スポーツマスターズ札幌大会の主催機構(開催地の道レベル競技団体および開催地自治体)のヒアリング調査から収集する計画である。 さらに、日本スポーツマスターズ札幌大会の参加者を対象とした質問紙調査を実施し、参加者における大会への同一視の程度と向社会的な活動の関係の検討に資するデータ収集を行う計画である。 国内マスターズアスリート人口の推計については、二次分析の対処として計画した笹川スポーツ財団のデータをもとにした場合、推計の妥当性を十分に確保できない可能性があり、引き続き検討を進めるが、状況によっては、マスターズアスリート人口の推計については、成果物から割愛することも検討したい。この推計部以外は、当初の研究計画の年次部分に該当する内容を進めていく計画である。
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Causes of Carryover |
次年度使用額24,457円の生じた理由は、購入を予定していたバックアップ用メディアの納品が平成30年3月末日に間に合わないことが判明したため、その発注自体を取りやめたことにある。 平成30年度に入り次第、上記の物品を再発注し、その他の予算執行については、研究助成申請当初の内容で進める計画である。
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