2017 Fiscal Year Research-status Report
インクルーシブ体育を実践できる教員養成モデルカリキュラムの開発
Project/Area Number |
17K01684
|
Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
長登 健 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 教授 (10721128)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邉 貴裕 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 先任准教授 (00621731)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | インクルーシブ体育 / 教員養成 |
Outline of Annual Research Achievements |
インクルーシブ体育指導の際の支援ニーズ、困難さ、その対応等を明らかにする一環として、J大学卒業の保健体育を専門とする全国の中学校教師840名を対象に質問紙調査を実施した。教師に求められる知識・技能と大学時代に学ぶべき知識・技能に関する項目10項目のうち、平均値の上位4項目はいずれも障害のある生徒に対する基本的な知識や理解に関する項目であった。また、特別支援教育の知識・技能を学んだ時期については、いずれの項目も大学卒業後が75%以上であった。これらのことから、現場の保健体育教師は授業を実施するに当たって障害のある生徒に対する基本的な知識や理解が重要であると十分に認識しており、大学時代から学んでおくべきと考えている。そして、授業の内容や方法に関することは、現状としては卒業後の研修や勉強会等を通してであることから、卒業後の学びと考えていることが推察された。 保健体育科教員免許状の取得を希望するJ大学3年生278名を対象として、大学3年時に行われた教育実習後に調査を実施し、保健体育科教員免許状のみを希望する171名と、加えて特別支援学校教員免許状を取得する107名の2群に分けて群間の差について検討した。特別支援学校教員免許状希望者は、非希望者と比べて過去に障害のある人と何らかの関りを持つ者が多かった。また、特別支援学校教員免許状希望者は非希望者に比べ保健体育科教育実習において特別な教育的ニーズのある生徒に対する気づきや、特別支援教育に関連する用語に対する理解も総じて高いものの、具体的支援方策については有意な差がみられなかった。一方、特別支援教育に対する基礎的態度については有意差がみられ、免許状希望者の方がインクルーシブ教育及び体育に対しての意識が高いことが明らかとなった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
教職課程認定を受けている大学においては今般の学習指導要領改訂に合わせ、その再課程認定を申請中であることから、保健体育科教員養成大学の教職課程の実態調査は次年度に実施することとし、平成29年度は学校・教育現場におけるインクルーシブ体育実践の現状把握等を中心に研究を推進した。
|
Strategy for Future Research Activity |
学校・教育現場におけるインクルーシブ体育実践の現状把握による分析をさらに進めていくとともに、保健体育科教員養成大学の教職課程の実態調査と分析を遂行していくこととしている。
|
Causes of Carryover |
先方との調整が不調に終わったため、平成29年度計画していた海外へ赴いての資料収集・視察については平成30年度に実施することとした。
|
Research Products
(2 results)