2019 Fiscal Year Research-status Report
勝利達成にむけた精神的側面の検討‐全日本柔道強化選手40年間の心理データから‐
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17K01706
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Research Institution | Osaka University of Commerce |
Principal Investigator |
東山 明子 大阪商業大学, 公共学部, 教授 (20228711)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 美久 大阪教育大学, 教育学部, 講師 (00532839)
齋藤 正俊 神戸親和女子大学, 発達教育学部, 教授 (40619540)
保井 智香子 立命館大学, 食マネジメント学部, 准教授 (40632998)
横山 喬之 摂南大学, スポーツ振興センター, 講師 (50585263)
内村 直也 大阪産業大学, スポーツ健康学部, 准教授 (70529990)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 最高精神健康度 / 最高作業量段階 / 曲線傾向3分類 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は、過去40年間の全データ5133枚の中から、全人数2003名について、3種類の分析を行った。 まず、各選手ごとの最高精神健康度を示す1枚を選び出し、分析したところ、全体の人柄特性は8型(個性派)が40.6%の814名、3-1d型(堅実派)が19.1%の382名であり、両型を合わせると59.7%と過半数を占めた。日本柔道は8型の持つ独自性が名人芸・職人芸として生きる世界であること、また普段の努力の積み重ねを厭わない選手が好成績を達成する競技であることが推察される。またSr.Jr.の別なく、58.1%の過半数1,163名が精神健康度高度または中上度を示し、中下度と程度は19.5%の391名と少なかった。特に女子選手にその傾向が表れ、近年の女子選手活躍の側面にも表れていると思われた。 次に、最高作業量段階を示す1枚を選び出して分析したところ、全体では一般成人水準のA段階が44.8%と最も多く、次い高能率水準である〇A段階が37.7%であり、両段階を合わせると、一般成人水準以上である選手が8割を超えた。しかし、一般成人水準より低いB段階が16.7%、さらに低いC、D段階はD段階2名を含む2%弱見られたことから、柔道競技ではD段階を含めての全ての段階で強化選手に選出されうることがわかった。指導法の工夫により低年齢層からの柔道指導が可能であるとともに、強化選手であるためには負荷が高いことを示すと考えられる。 3つ目は上昇・平坦・下降の曲線傾向3分類による分析を行った。上昇43.9%、平坦31.7%、下降24.4%であり、一般社会で高評価を受ける協調性の高い下降曲線であるが、柔道競技では上昇傾向が競技適応に優位に働くことが示され、今後のコンディショニング段階での重要な指導指針になると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
全体の進捗状況としては、初年度のデータ取り込み等に予想以上の手間と時間がかかり出遅れたが、その後は順調に進展し、研究期間を1年延長したため、順調であるといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は残りの研究である日本柔道頂点を形成するオリンピック代表および金メダル連覇者について事例研究に入る。
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Causes of Carryover |
データが膨大であったために初年度のデータ取り込みに時間がかかり、研究進度がおおよそ1年分遅れているため、最終年度分の研究を行うための費用と研究を纏めるための費用が現時点では未使用であり、次年度使用額が生じた。
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Research Products
(3 results)