2018 Fiscal Year Research-status Report
障害者スポーツイベントによる障害者スポーツの日常化への影響
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17K01717
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
澤江 幸則 筑波大学, 体育系, 准教授 (20364846)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齊藤 まゆみ 筑波大学, 体育系, 准教授 (00223339)
加藤 彩乃 信州大学, 学術研究院総合人間科学系, 助教 (50736501)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 障害者スポーツ / 関心 / 共感 / 大会 / 観戦者 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、昨年度までに収集したデータを分析し次年度の調査計画を策定することに時間を多くかけた。分析の結果、主な知見として、国際障害者スポーツ事例調査から、1)地元住人の大会観戦者理由の半分が「地元で開催されていた」という理由であって、必ずしも「障害者スポーツを観たい」という積極的な理由ではなかった。つまり大会に足を運ぶことで、障害者スポーツの例えば魅力を「発見」したが、事前に知っていた障害者スポーツの例えば魅力を「確認」「探求」しにきたわけではない。また全国障害者スポーツ大会事例調査により、2)中学生を対象とした障害者への配慮とアクセシビリティに対する共感調査において、障害者スポーツイベントが実施されたからと言って、地元中学生の障害者への「共感的態度」が向上するわけではない。さらには全国障害者スポーツ大会事例調査により、3)中学生の障害者スポーツの捉え方が、大会を通じて、障害者スポーツの「スポーツ」の側面より「障害」の側面に意識偏重化が起こることがわかった。これらの主要3点およびその他の知見から次のようまとめられた。障害者スポーツ大会開催に伴い、その障害者スポーツその物に対する情報が、地元住民に事前に周知されていないため、大会への関心が障害者スポーツに対し消極的であるため、共感的態度がおこりにくかった。しかし大会を観戦した多くの人は、大会の意義を感じ、障害者スポーツへの関心を高めていた。そこで大会事前に障害者スポーツに対するポジティブな関心を高め、大会への「確認・探求」としての参加動機を持たせるための仕組みをつくる。そのことで、障害に対するポジティブな態度を形成し、障害者に対する共感を高めることができる。それを支えるために、大会前後を通して積極的に障害者とスポーツを通して交流することが望まれる。こうした仮説の一部を検証するために次年度の調査計画をたてた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
計画上、国内事例2の調査を行う予定であったが、前年度の調査結果の分析に多くの時間を要したためである。しかしその結果、事前に想定していなかった新たな知見を得ることができ、次年度に向けた高次な調査を行うためのきっかけとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は本研究の最終年度であり、大きく2つの計画を推進する予定である。ひとつは、次年度に実施される全国障害者スポーツ大会において、今年度の研究で明らかになった仮説の一部を実証するための調査を行う予定である。すなわち大会開催県内の同一地域において、障害者スポーツへの関心を高めるための取り組みを行っている中学校とそうでない中学校に対して、大会実施前後の障害者スポーツに対する捉え方と障害者の共感的態度、大会への観戦動向を調査することとした。 そしてもうひとつは、それらの分析と結果を踏まえ、研究報告書の作成を行いたい。冊子にまとめるだけでなく、ホームページなどを通じて公開し、加えて、研究論文としても公表したいと考えている。
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Causes of Carryover |
計画上、当初、今年度予定していた国内実地調査が繰り越しになったため旅費や調査員謝金等が発生しなかったためである。
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