2017 Fiscal Year Research-status Report
行動変容ステージと健康ステージに基づく健康支援プログラムの開発
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17K01808
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Research Institution | Kyoto Tachibana University |
Principal Investigator |
白岩 加代子 京都橘大学, 健康科学部, 准教授 (90423970)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村田 伸 京都橘大学, 健康科学部, 教授 (00389503)
岩瀬 弘明 京都橘大学, 健康科学部, 助教C (40633350)
堀江 淳 京都橘大学, 健康科学部, 教授 (60461597)
安彦 鉄平 京都橘大学, 健康科学部, 専任講師 (80708131)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 地域在住高齢者 / 身体機能 / 認知機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、地域在住高齢者の身体・認知・心理機能について総合的かつ客観的に評価し、高齢者の健康増進および介護予防対策につながる要因について明らかにしたいと考えている。最終的には要介護状態に陥るのを未然に防ぐ対策を考案することを目的である。 平成29年度の研究実施計画では、地域在住高齢者の身体・認知・精神心理機能の客観的な評価を基に、高齢者の特性や要介護に陥る要因について検討することである。 日常生活に特に支障のない健常高齢者273名と通所介護施設を利用している虚弱高齢者57名を対象に調査を行った。調査した地域における健常高齢者の身体機能の評価では、筋力や歩行能力は全国平均と比べると比較的良好な結果を示していた。しかし、柔軟性やバランス能力に関しては、全国平均より大きく下回る結果を示した。認知機能の評価では、認知症の疑いのある者(3%)と、認知症予備軍とされる軽度認知障害に該当する高齢者(32%)は、計35%であった。全国の認知症調査結果では、認知症15%、軽度認知障害13%であることから、調査した地区の高齢者は、認知機能に問題を認める者が多い傾向を示すことが明らかとなった。したがって、認知機能について詳細に分析し、対応策について考案する必要性が伺われた。現在、認知機能の評価法として使用したMMSE(Mini-mental State Examination)の下位項目(詳細項目)に着目し、解析をしている段階である。 虚弱高齢者に関しては、転倒リスクが高いことが明らかとなった。また認知機能に関しては、要支援者の方が軽度介護者よりも有意に良好な結果を示したことより、転倒予防と認知機能の維持に努めることによって、介護状態の重度化を予防できる可能性があると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度の研究実施計画では、地域在住高齢者を対象に、身体・認知・精神心理機能の客観的な評価を実施しすることが主な計画であり、その調査結果から高齢者の特性や要介護に陥る要因について検討することであった。日常生活に支障のない高齢者273名を対象に調査を実施することができた。調査対象者は300名程度を予測していたため、おおむね目標人数に達していると思われるが、今後解析を進める上でさらに対象者が必要と判断された場合は、対象地域を拡大し、対象者を募る予定である。 調査結果から、認知機能の低下を認める者が多かったことから、さらに使用した評価の下位項目(詳細項目)に着目し、解析を行っている。認知機能にかかわる機能と身体機能、QOLとの関連について明確にし、要介護に陥る要因に関する検討課題について、引き続き作業を引き続き進めていく必要があると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度では、平成29年度に行った調査について、追跡調査を実施するとともに、平成30年度の研究計画としては、効果的な介護予防プログラムの考案と効果を検証することとしている。そのため、身体・認知・精神心理機能の評価を基に、要介護リスクについてステージ化することを計画している。そのステージ化するための評価項目の検討や平成31年度の計画として予定しているソフトウェアの開発につながる準備を開始する予定である。また介護予防プログラムは、要介護リスクのステージに応じて、自宅でも簡単に行うことができるのも、日常生活の活動量を増加させるようなプログラムとすることを目標に考案していく予定である。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由としては、研究に必要な測定機器について付加機能を追加し作成依頼したところ、見積もりの返答が予定よりも遅れてしまい、年度内に納品するのが難しい状況となったためである。また最終年度に計画しているソフトウェアの開発について、製作依頼をするために見積もりの相談をしたところ、オリジナル商品の開発となるため費用が掛かることと、付加機能を付けることによってさらに費用が増すとの回答であったこともあり、機器の購入かソフトウェアの開発か、どちらを優先するか検討している状況である。今後は計画的に使用する予定である。
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Research Products
(3 results)