2018 Fiscal Year Research-status Report
行動変容ステージと健康ステージに基づく健康支援プログラムの開発
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17K01808
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Research Institution | Kyoto Tachibana University |
Principal Investigator |
白岩 加代子 京都橘大学, 健康科学部, 准教授 (90423970)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村田 伸 京都橘大学, 健康科学部, 教授 (00389503)
岩瀬 弘明 神戸国際大学, リハビリテーション学部, 講師 (40633350)
堀江 淳 京都橘大学, 健康科学部, 教授 (60461597)
安彦 鉄平 京都橘大学, 健康科学部, 准教授 (80708131)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 地域在住高齢者 / 歩行能力 / 速度調整 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、地域在住高齢者の身体・認知・心理機能について総合的かつ客観的に評価し、高齢者の健康増進および介護予防対策につながる支援法について考案したいと考えている。自立した日常生活を営んでいる高齢者が、要介護状態に陥るのを未然に防ぐ対策につなげることが目的である。 地域在住で日常生活に特に支障のない健常高齢者253名を対象に調査を行った。普段歩く速さとサクセスフルエイジングとの関連が示されていることや、「やや速や歩き」を取り入れたトレーニング効果が示されていることから、歩行能力について調査した。運動課題は、①普段歩く速さによる歩行、②やや速い速度で歩く歩行、③最大努力による歩行の3条件とした。測定は、①→③→②の順で行った。主観的な判断による速度変化と身体機能、注意機能、認知機能との関係性について検討した。その結果、歩行速度が①→②→③の順に速度調整できない高齢者が39.4%いた。歩行速度の調整が可能な群と調整ができない群に分け、歩行速度を比較したところ、①普段歩く速さによる歩行では、2群に有意差はなかったが、②やや速歩きと③最大努力による歩行は、歩行速度の調整ができない群の方が有意に低下していた。身体機能、注意機能、認知機能については、群間に有意な差は認められなかった。このことから歩行速度の調整ができない高齢者は、身体機能を十分活用できていない可能性が示唆された。そのため、ウォーキングを運動として実施する際には、速度変化を取り入れたウォーキングが効果的あると考えられ、今後検証したいと考えている。 行動変容ステージは、体力測定会への参加頻度から傾向をみることができる可能性があり、今後歩行能力と行動変容ステージおよび体力測定会への参加費頻度について検討したいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成30年度の研究実施計画では、ベースライン調査の結果を基に追跡調査を行うとともに、要介護へ移行する要因について検討し、対応策について考案することが目的であった。平成30年度は、地域在住の高齢者253名を対象に調査することができた。この対象者の中には、体力測定会に継続して参加している者と初参加の者が含まれている。そのため健康への自己管理の違いがどのような影響を及ぼすのか検討することができる。その結果から要介護へ移行する要因について明らかにできるか検討をしている状況である。 基本チェックリストを用いた調査において、その判定が人的作業によるものだと判断ミスが生じることが多く、また記録の保管についても面倒であるとの意見があった。そのことから、基本チェックリストの判定を容易にするための判定ソフトの開発が必要であると判断した。この判定ソフトは誰でも使用しやすいものである。判定ソフトの開発に時間を要したため、介入方法についての考案がまだ十分行えておらず、課題が残されている状況である。引き続き解析を進めるとともに、対応策の考案につなげたいと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、要介護に移行する要因について、多様な面から解析し検討している状況である。地域在住の高齢者は、生活様式が多種多様であり、健康に対しての意識も千差万別である。そのため、客観的に判断するためのデータ収集や解析などは、継続して行う必要があると考えている。31年度も引き続き、地域在住の高齢者を対象に身体機能、認知機能、心理機能などについて調査を行い、経時的な変化や特徴について明らかにしたいと考えている。また31年度の計画として予定しているソフトウエアの開発に向けて、判定結果の重み付けや誰でもわかりやすく使用しやすい資料の作成についても取り掛かりたいと考えている。
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Causes of Carryover |
予定していた学会への参加を取りやめたため
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Research Products
(2 results)