2018 Fiscal Year Research-status Report
Development of visual teaching materials for mastering motor skills in children
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17K01901
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
上田 毅 広島大学, 教育学研究科, 教授 (90254648)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 映像 / フィードバック / 動作認識 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,バレーボール未熟練者を対象に,学習初期段階で,映像を用いたフィードバックは技術習得に効果的であるかを明らかにすることを目的とした.その結果,映像群でも統制群でも,指導を加えることで,1回の練習でも技術が向上することがわかった.しかし,項目によっては,映像群だけが有意に高い値を示したものもあった.つまり,映像がなくても主観的な感覚で修正できるものに関しては,映像を用いず,言語のみのフィードバックでも十分に改善できることがわかった. 動作の大きさや体の位置などの目で見て改善点が理解できるものに関しては,映像を用いてフィードバックすることが有効であることが明らかとなった.また,到達点を明確に理解できず,言語と自分の動作の映像だけではイメージしづらいものもあり,手本となる動作を見る必要があるものもあると考えられた.フィードバックの際は,改善したい動作によって,映像が必要であるか,どんな映像が適切であるかを見極めなければならない.特に,学校体育の授業では,練習時間も限られ,練習時の人数も多いため,効率よく指導する必要がある.限られた時間の中で,映像を見せる必要性,頻度や時期なども考慮しながら,フィードバックをすることで,技能習得が期待できる. アンケートから,映像群は統制群よりも「できるようになった」「求められている動作と自分の動作の違いがわかった」と回答する者が多かった.映像群では,自分の動作についての気づきが多く,積極的に質問する姿がみられた.それに対して,統制群では,自主的な質問などはみられず,指導者からの指導を一方的に聞き入れるだけであった.したがって,映像を見ることで,対象者の向上心や学習意欲にも影響を与えることが明らかとなった.映像を用いてフィードバックを行うことで,学習者は自分の動きを客観的に捉えることができると考えられた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
一昨年度はサッカー,昨年度はバレーボールを用いてどのような情報をフィードバックすると,技能習得上,有益かどうかを検討してきた。その結果,映像による見本の提示そのものや,自分の動きの結果を知らせるというより,自分の動きを自身で認識できるような情報(質的にも,量的にも)が有益であるということがわかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は,さらにもう一種目取り上げ,動作修得に有益な情報提示の内容を検討することで,有効な視覚教材を製作していきたい。
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Research Products
(6 results)