2021 Fiscal Year Research-status Report
ベトナム人技能実習生の労働実態と「労働力輸出」による村落社会の変容に関する研究
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17K02027
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Research Institution | Hiroshima Kokusai Gakuin University |
Principal Investigator |
川越 道子 広島国際学院大学, 情報文化学部, 准教授 (70617068)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 外国人技能実習制度 / 女性技能実習生 / 縫製業 / 移住労働 / ベトナム / 労働力輸出 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度同様、新型コロナウィルスの影響によりベトナム現地調査を実施できなかった。一方で、感染拡大が落ち着いた時期に岡山や島根の中山間部の技能実習生受入れ地域や事業所において実態調査、そして、ベトナムに帰国した元技能実習生へのビデオ通話を介した聞き取り調査を行うことができた。これらの調査結果は、オンラインで行われた研究会で報告し、論文として研究雑誌へ投稿した。 2021年度の調査では、とりわけ女性技能実習生に着目し、彼女たちの多くが働く繊維・衣服産業での実態について調査した。これより、女性技能実習生は男性よりも劣悪な労働環境下に置かれやすく、再生産労働と生産労働が両立できない、「失踪」が男性よりも困難、といった女性技能実習生の被傷性が明らかになった。他方、そうした制限された状況において発生する、ストライキや訴訟といった女性たちの「闘い」の事例も聞き取ることができた。また、繊維・衣服産業の事業所側も労働環境の改善に注力している現状も明らかになった。 オンラインの限界はあるが、ビデオ通話を通した聞き取り調査を遂行できたことも本年度の成果の一つである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度に引き続き、新型コロナウィルスの影響により、予定していたベトナム現地調査および国内調査を実施できなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度となる2022年度は、これまでの調査で得られたデータをもとに論文にまとめるとともに、前年度までの調査を補完する国内調査を実施する。また、引き続き、国内外の研究会、学会において研究発表を行う。
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Causes of Carryover |
ベトナム現地調査が実施できなかったため、次年度使用額が発生した。これらの旅費、人件費・謝金は最終年度の国内調査に充当する。
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