2017 Fiscal Year Research-status Report
インドネシア人移住労働者における帰還後のライフステージに向けた再統合
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17K02051
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Research Institution | Osaka Sangyo University |
Principal Investigator |
中谷 潤子 大阪産業大学, 国際学部, 准教授 (20609614)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平野 恵子 北海道教育大学, 教育学部, 特任准教授 (50615135)
北村 由美 京都大学, 附属図書館, 准教授 (70335214)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 移動労働者 / 再統合 / インドネシア |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度はフィールドでの調査を中心に行った。8月にジャカルタで移動労働者送り出し機関とインドネシアの政府機関を訪問し、インタビューを行った。9月には東ジャワ州で共同調査をした。東ジャワ州の集落(カンプン)を訪れ、元移動労働者の自立組織の事例を知ることができた。その後、11月には台湾共同調査を行った。台湾ではインドネシアからの移民の声を聞くととともに、台湾政府の移民政策について関係者に聞き取りをし、移民コミュニティを訪問することで支援側と移民側の双方について知ることができた。またインドネシアから日本への移動労働者の例として、元EPA看護師にインタビューを行った。インタビューでは、日本での労働体験や海外体験が帰国後の人生のライフステージ構築にどう関わるのかライフストーリーを語ってもらった。 平成30年3月に科研研究会を行い、今年度の共同調査を踏まえて、各自の担当の再確認と今後の方向性についての議論を交わした。そして東ジャワ州を再訪した。今後は自立支援組織の調査に主眼をおいた。NPOによる支援活動と元移動労働者自らが立ち上げた自立支援組織を訪問することができ、その経緯や苦労、展望等を知るとともに各地域や組織を比較することもできた。 今後は、継続調査を行うとともに、東ジャワ州以外の動向、そしてインドネシアにおいて活動家が元移動労働者支援に至った流れ等をみていくことで、本科研での課題が明らかになると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究開始年度に予定していた以上の調査を行うことができ、またそれによって今後の研究の方向性も順調に見通せる状況にきているため。
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Strategy for Future Research Activity |
帰還者がインドネシアで自立できるように様々な活動が行われており、それを継続的に追うことで、再統合に向けての動きを追う。また、このような活動を支えているのがインドネシアにおける活動家の存在である。そもそも活動家はどのような流れを経て、今、元移動労働者への支援に従事しているケースが多いのかについても調べる必要がある。さらに、東ジャワ州を主フィールドとしているが、それ以外の地域での状況についても可能な限り、調査を行いたい。 そして、これら研究の成果についての発表についても具体的に検討していく必要がある。
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Research Products
(12 results)